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外国為替市場におけるリクイディティとボラティリティ
外国為替市場は、世界中で最も流動性のある金融マーケットだと言われており、確かにそれは疑いようのない事実です。では、トレーダーにとってそれがどんな意味を持つのか見ていきましょう。
リクイディティとは?
リクイディティ(市場の流動性)とは、市場参加者の数や取引高に基づき、どれほど活発に取引されているかを測る尺度です。外国為替市場は、平日なら24時間取引が可能で、その取引高は1日600兆円近くにもおよびます。この取引の厚みこそ、外国為替市場の流動性が高い理由です。1日の間に世界中の金融センターがオープンとクローズを繰り返すため、リクイディティは日夜変動するものの、外国為替市場の取引高は常に安定して高い水準を保っています。
ボラティリティとは
ボラティリティ(価格の変動性)とは、取引における価格の変動幅(変動率)を測る尺度です。マーケットのリクイディティ(市場の流動性)は、そのマーケットのボラティリティ(価格の変動性)に大きな影響を与えます。リクイディティが低いと、マーケットは不安定となり価格が乱高下します。一方、リクイディティが高いと、マーケットは安定し価格の変動は小さくなります。
上述の通り、リクイディティが高いほどボラティリティは低くなるため、外国為替市場のように流動性の高いマーケットでは、価格の変動幅(変動率)は小さくなります。また、取引量が高まるタイミングほど、通常、価格の変動は小さくなります。しかし、常に取引量の多い外国為替市場でも、急騰や急落をすることがあります。なぜなら、政治的、経済的、社会的な出来事等、ボラティリティを高める要因というのは数多く存在し、時に、その影響を強く受けるためです。そのため、トレーダーは常に最新のイベントを意識し、経済ニュースの動向を把握していなければなりません。そうすることで、イベントやニュースの中に潜在的利益を見つけることができ、同時に潜在的損失を回避することができるのです。