リスクマネジメント
ギャップ(窓開け)とスリッページ
ギャップとは
ギャップ(窓開け)とは、レートの急変動によって現れるチャートの隙間のことで、レートに乖離が見られる場所です(下図を参照)。上昇時、下落時、双方にて発生します。外国為替取引では、主に、マーケットが休場となる週末を挟んで発生しますが、1分足等の短いタイムフレーム上や、影響力ある経済指標の発表前後にも現れる場合があります。
ギャップが発生しやすい場面
- 定期:経済指標の発表前後。特に、市場予想とは異なる結果となった場合。
- 不定期:影響力のあるニュースの発表時。特に、世界的に影響を与える内容である場合や、予期せぬニュースが休場中の週末に発表された場合は、寄り付き時点で大きなギャップが発生する可能性があります。
ギャップは、なぜ重要なのか?
ギャップは、市場心理の一要素として、マーケット分析に役立ちます。ギャップアップ(上昇の窓開け)が発生した場合、その水準には売り手が存在しなかったことを意味します(ギャップが上昇時に発生するケース)。同様に、ギャップダウン(下落の窓開け)が発生した場合、その水準には買い手が存在しなかったことを意味します(ギャップが下落時に発生するケース)。このような状況においては、ストップオーダーで指定したレートを素通りし、その水準よりも悪いレートで約定することになります。さらに、その後は調整的な値動きとなる可能性があります。つまり、反転してギャップを埋める、という傾向があります。
どのように活用すると良いか
ギャップが発生した場合、一旦、様子見にすると良いでしょう。なぜなら、ギャップができるということは、一方向への強い勢いを示す一方で、ギャップを埋めに行く反対の値動きをする可能性もあるためです。なお、反転した場合には、ギャップが始まった水準まで値を戻す可能性が高いといえます。もし、エントリー前に突然ギャップが発生するようなら、トレードを一旦中断する方が賢明です。
EUR/JPY(1時間足):ギャップアップ
AUD/USD(1時間足):ギャップダウン
スリッページとは?
スリッページとは、指定したレートと実際に約定したレートとの差を指します。上述のギャップによってスリッページが発生し、逆指値や指値において、指定したレートとは異なるレートで約定する場合があります。
その他に、発注してからその注文がサーバーに到達(約定)するまでの間にレートが変わってしまった場合にも、スリッページが発生します。発注から約定までの時間はごくわずかですが、相場は常に変動しているため、短い時間でもレートが動いてしまうことがあります。
スリッページ許容幅の設定をすることで、対策を立てることが可能です。
また、当社のノックアウトオプションでは、ノックアウトレベルでの決済が100%保証されていますので、週明けの窓開けのリスクを軽減することができます。