上級
テクニカル分析 上級編
アベレージ・トゥルー・レンジ(ATR)
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アベレージ・トゥルー・レンジ(ATR)は、もともとマーケットのボラティリティ(価格変動)を測る指標として、商品先物取引向けに開発されました。しかし、ボラティリティを測ることができることに加え、トレンドの天井と底の予測にも役立つため、商品先物以外のトレーダーにも利用されるようになりました。
ATRは、ボリンジャーバンドと同様、任意の期間を設定してボラティリティを測ります。算出方法は下記の通りです。3通りの計算式にて真の変動幅(True Range)を算出し、その中で最大となる絶対値を、その日の値として採用します。
- 当日の高値 – 当日の安値
- 当日の高値 – 前日の終値
- 当日の安値 – 前日の終値
期間は14日間とするのが一般的で、その場合、過去14日間の平均がATRの値となります。
ATRは、ADX同様、チャート下のサブウィンドウに1本のラインで表示されます。ATRが低水準である場合、値動きは落ち着いており、ボラティリティがほとんどない状況を示します。一方、ATRが高水準となる場合は、値動きが激しく、マーケットが不安定な状況であることを示します。
上図は、USD/JPYチャート(1年分)ですが、その中で、ATRが1.40(140pips)を超えている期間はごく一部です。しかし、9月以降はその水準を超えただけでなく、250pips程度まで上昇しています。これは通常時に比べ、変動幅の平均が2倍程度になっていることを示します。