上級
テクニカル分析 上級編
ABCDパターン
所要読了時間 3分
ABCDパターンとは
- どんな値動きにも共通するリズミカルな上下動を定義した用語です。
- 3つの連続したスイングまたはトレンドによって、稲妻のような幾何学的な形状となるチャートパターンです(下図を参照)。
- 先行指標として、エントリーまたは決済のタイミングを決定する判断材料となります。
ABCDパターンは、なぜ重要なのか
- 市場(外国為替、証券、先物など)、取引(デイトレード、スイングトレード、中長期取引など)、トレンド(上昇、下落、レンジなど)を問わず、エントリーまたは決済のタイミングを決定する判断材料となります。
- ABCDパターンが、全てのチャートパターンの基本となっています。
- パターンが完成した時点(下図のD)でのエントリーまたは決済が、最も手堅いトレードとされています。
- 事前に、リスクリワードレシオを決める基準となります。
- メインのタイムフレームまたは複数のタイムフレームにおいて、1点への収束を示すようであれば、信頼性の高いシグナルとなります。
ABCDパターンの概要
ブルとベア(=強気と弱気)、それぞれのパターンがあります。ブルABCDパターンは、買いのタイミング(またはロングポジションの継続)を示すチャートパターンです。逆に、ベアABCDパターンは、売りのタイミング(またはショートポジションの継続)を示すチャートパターンです。
下図における各ターニングポイント(ABCD)は、その前後における最高値または最安値です。ABCDパターンは、AB、BC、CDの3つの連続したスイングまたはトレンドによって描画され、Dがエントリーまたは決済のタイミングを示します。なお、それぞれのスイングを、脚AB、脚BC、脚CDといいます(脚BCは、調整またはリトレースメントと表現する場合もあります)。
トレードは完璧な科学ではありませんが、フィボナッチの理論を応用しAB(またはBC)とCDの比率を用いてABCDパターンを描画することで、その後の値動きにおけるおおよそのレンジを予測することができます。このチャートパターンを利用することで、トレンドが収束するポイントを推定できるため、エントリーまたは決済のタイミングとレートをより正確に決定することができます。
たいていの場合、タームフレームの設定に関わらず各脚は3~13期間(=ローソク足3~13本)に収まりますが、ABCDパターン全体は13期間よりも大きくなることがあります。そのような場合は、ABCDパターン全体が13期間に収まるようにタイムフレームを長めに設定し直して、トレンドが収束するポイントを見つけると良いでしょう。
ABCDパターンは、その特性によって3通りに分類されます(下図を参照)。以下、ブルとベア双方のパターンについて説明します。
ブルABCDパターンの特性(Dで買い)
ブルABCDパターンの活用手順
- まずは、ABを確認しましょう。
- Aが最高値である
- Bが最安値である
- ABの下落において、Aよりも高値またはBよりも安値は存在しない
- 次に、BCを確認しましょう。
- CはAよりも安値である
- BCの上昇において、Bよりも安値またはCよりも高値は存在しない
- BCがABの61.8%か78.6%、となるのが理想的な形
- ただし、強い下降トレンドでは、BCはABの38.2か50%が目安となる
- 最後に、CDを描画しましょう。
- 目標レートDは、Bよりも安値となる
- CDの下落において、Cよりも高値またはDよりも安値は存在しない
- 価格軸にて、Dのレートを予測する
- 値幅CDが、値幅ABと等しくなるケース
- 値幅CDが、値幅BCの127.2か161.8%となるケース
- 値幅CDが、値幅ABの127.2か161.8%、となるケース
- 時間軸にて、Dのタイミングを予測する
- 期間CDが、期間ABと等しくなるケース
- 期間CDが、期間BCの127.2か161.8%となるケース
- 期間CDが、期間ABの127.2か161.8%、となるケース
- フィボナッチ比率とABCDパターンを活用して、トレンドが収束するポイントを予測しましょう。
- CDにおいて、ギャップができる場合やローソク足が長くなる場合には注意が必要です。Dに近づくほど警戒しましょう。
- そのようなサインが出た場合は、トレンドの強まりを意識し、ABCDエクステンション・パターンになることを想定しましょう。
ベアABCDパターンの特性(Dで売り)
ベアABCDパターンの活用手順
- まずは、ABを確認しましょう。
- Aが最安値である
- Bが最高値である
- ABの上昇において、Aよりも安値またはBよりも高値は存在しない
- 次に、BCを確認しましょう。
- CはAよりも高値である
- BCの下落において、Bよりも高値またはCよりも安値は存在しない
- BCがABの61.8%か78.6%、となるのが理想的な形
- ただし、強い下降トレンドでは、BCはABの38.2か50%が目安となる
- 最後に、CDを描画しましょう。
- 目標レートDは、Bよりも高値となる
- CDの上昇において、Cよりも安値またはDよりも高値は存在しない
- 価格軸にて、Dのレートを予測する
- 値幅CDが、値幅ABと等しくなるケース
- 値幅CDが、値幅BCの127.2か161.8%となるケース
- 値幅CDが、値幅ABの127.2か161.8%となるケース
- 時間軸にて、Dのタイミングを予測する
- 期間CDが、期間ABと等しくなるケース
- 期間CDが、期間BCの127.2か161.8%となるケース
- 期間CDが、期間ABの127.2%か161.8%となるケース
- フィボナッチ比率とABCDパターンを活用して、トレンドが収束するポイントを予測しましょう。
- CDにおいて、ギャップができる場合やローソク足が長くなる場合には注意が必要です。Dに近づくほど警戒しましょう。
- そのようなサインが出た場合は、トレンドの強まりを意識し、ABCDエクステンション・パターンになることを想定しましょう。