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S&P500取引ガイド

S&P500は、米国の主要500社を対象とした時価総額ランキングの指標となる株価指数です。ここではS&P500株価指数の構成銘柄や算出方法、そして取引方法について解説します。

著者 forex.com
2025年3月20日 午後17:53

目次

株式市場の動きを見通す以外にも、資産形成のための投資先としても使えます。

S&P500は、米国大型株の動向を表す最良の単一尺度として広く認められている株価指数です。この指数は米国の主要産業を代表する500社により構成されており、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。

世界中の機関投資家がこのS&P500株価指数をベンチマークとしたミューチュアルファンドやETFを保有しています。ミューチュアルファンドのなかでもパッシブ運用のファンドやETFは指数とのトラッキングエラーを抑え、ほぼ連動することで、指数そのものとも言えます。市場には、S&P500指数ETFとS&P500指数先物、ミューチュアルファンド、組み入れ個別銘柄などの間でアービトラージ(裁定取引)を行っているプロの投資家も存在しています。こうしたことで取引量は大きくもっとも汎用性の高い株式指数ということができます。

S&P500株価指数は、時価総額が大きいだけでなく、安定的に利益を上げていないと採用されません。上場後、長い間赤字計上をしていたテスラ(TSLA)などは、時価総額は大きかったものの、つい最近までS&P500株式指数には組み入れられていませんでした。

取引をする際には、赤字経営のグロース系のハイテク企業などは組み入れられていないので注意が必要です。逆に、そうした赤字計上ながらも時価総額が大きい銘柄が黒字転換した際には、組み入れられることになり、個別株のパフォーマンスに大きく影響します。

世界のほとんどの機関投資家は、S&P500株価指数をベンチマークとして採用しています。S&P500株価指数に組み入れられると、必然的に新しく組み込まれた個別銘柄を購入することになります。実際に個別株を保有していない場合でも、S&P500株価指数に連動するETFやベンチマークとして採用しているミューチュアルファンドを保有している機関投資家は、そのETFやミューチュアルファンドが個別銘柄を購入することになります(指数に連動するファンドは購入しないといけない)。

逆に、新しく組み入れられる銘柄があるということは、除外される銘柄も出てきます。そうした除外された銘柄のパフォーマンスは低下することが多くなります。

こうしてみると、S&P500株価指数というのは、その時の旬である大型株で収益も上げている企業群ということもできます。こうした構成銘柄の変更は、サバイバー・バイアス(日本語では、生存者バイアスなどと訳される)がかかることになります。長く保有する長期投資家には、勝手に株価指数が勝者である個別銘柄を選んでくれるので、ほったらかし投資には有効ということもできますが、赤字企業に投資をして黒字転換した際の高パフォーマンスを狙う本当のプロ投資家も存在します。

参考資料:S&P 米国株価指数メソドロジー

https://www.spglobal.com/spdji/jp/documents/methodologies/methodology-sp-us-indices-japanese.pdf
FXJP SP500 components by sector

*上位15銘柄

銘柄名 ティッカーセクター※注構成比説明
アップル AAPL情報技術7.19%iPhoneやiPadなどの開発・販売
マイクロソフト MSFT情報技術6.51%WindowsやMicrosoft Officeを開発・販売
アマゾン AMZN一般消費財3.33%ECサイト「Amazon」やクラウドサービス「AWS」を提供
Nvidia NVDA情報技術2.95%生成AI用チップ(GPU)の半導体最大手
アルファベットーA GOOGLコミュニケーション2.03%検索エンジン「Google」を運営、議決権あり、クラスCも合わせ3.79%
メタ・プラットフォーム METAコミュニケーション1.84%「フェイスブック」を運営、メタバースにも注力
テスラ・モーター TSLA一般消費財1.83%電気自動車の世界最大手。全車種で自動運転レベル2を標準装備
アルファベットーC GOOGコミュニケーション1.76%検索エンジン『Google』を運営、議決権なし
バークシャー・ハザウェイーB BRK.B金融(保険・投資)1.67%投資の神様「ウォーレン・バフェット」の保険・運用会社
ユナイテッド・ヘルス UNHヘルスケア1.25%医療保険会社
JPモルガン・ チェイス JPM金融(銀行)1.22%米最大手銀行・証券サービス
ジョンソンエンドジョンソン JNJ消費必需品1.17%医療・ヘルスケア企業
エクソン・モービル XOMエネルギー1.16%石油・エネルギー総合サービス
ビザ V金融1.03%クレジットカード
ブロードコム AVGO情報技術0.98%各種半導体設計・開発

※注:GICS🄬業種分類による

2023年8月末時点

出所:https://etfdb.com/etf/SPY/#holdings

取得日:2023年9月14日12:30PM

セクター構成

米国株式市場の分類は「Global Industry Classification Standard」(=GICS)※に基づいて11個のカテゴリーに分類されます。1999年に米国の格付け会社であるS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)と機関投資家向けに指数や分析ツールを提供するMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が共同開発した産業分類です。世界の産業を11のセクター、24の産業グループ、69の産業、158の産業サブグループに分類しています。

世界中の金融機関で標準化されており、投資信託や企業分析で業種分類する際に多用されています。

※注 https://www.msci.com/our-solutions/indexes/gics

セクター構成比事業内容主な銘柄
情報技術 (テクノロジー)28.20%ソフトウェアと情報技術サービスを提供する企業、通信機器、携帯電話、コンピューターと周辺機器、電子機器と関連機器、半導体などの技術ハードウェアと機器の製造業者と販売業者も含まれる。マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、Nvidia(NVDA)、ブロードコム(AVGO)、アドビ(ADBE)、シスコ(CSCO)、セールスフォース(CRM)、など
ヘルスケア13.20%ヘルスケア・プロバイダー&サービス、ヘルスケア機器&用品の製造・販売企業、ヘルスケア・テクノロジー企業が含まれる。また、医薬品やバイオテクノロジー製品の研究、開発、製造、販売に携わる企業も含まれる。ユナイテド・ヘルス(UNH)、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)、イリ―・ライリー(LLY)、メルク(MRK)、アビー(ABBV)など
金融12.50%銀行、金融サービス、消費者金融、資本市場、保険業務に従事する企業が含まれる。また、金融取引所とデータ、モーゲージREITも含まれる。JPモルガン(JPM)、バークシャー・ハザウェイ(BRK)、ビザ(V)、マスターカード(MA)、バンクオブアメリカ(BAC)など
一般消費財10.60%景気サイクルの影響を最も受けやすい企業。製造部門には、自動車・部品、家庭用耐久消費財、レジャー用品、繊維・アパレルが含まれる。サービス部門には、ホテル、レストラン、その他のレジャー施設が含まれる。アマゾン(AMZN)、テスラ(TSLA)、ホームデポ(HD)、マクドナルド(MCD)、ローウェ(LOW)、ナイキ(NKE)、スターバックス(SBUX)など
コミュニケーション8.80%様々な媒体を通じてコミュニケーションを促進し、関連コンテンツや情報を提供する企業が含まれる。このセクターには、通信会社、メディア&エンターテインメント会社(インタラクティブ・ゲーム製品の製造会社や、独自のプラットフォームを通じてコンテンツや情報の作成・配信に携わる会社を含む)が含まれる。アルファベット(GOOG/GOOGL)、メタ(MATA)、ネットフリックス(NFLX)、ウォルト・ディズニー(DIS)、コムキャスト(CMCSA)、ベライゾン(VZ)など
資本財8.40%航空宇宙・防衛、建築製品、電気機器、機械などの資本財の製造・販売業者や、建設・エンジニアリングサービスを提供する企業が含まれる。また、印刷、環境・設備サービス、オフィスサービス・用品、セキュリティ・警報サービス、人事・雇用サービス、調査・コンサルティングサービスなどの商業・専門サービス業者も含まれる。また、輸送サービスを提供する企業も含まれる。キャタピラー(CAT)、ユニオン・パシフィック(UNP)、ジェネラル・エレクトリック(GE)、ハネウェル(HON)、ボーイング(BA)など
生活必需品6.60%景気サイクルの影響を受けにくい企業で構成されている。このセクターには、食品、飲料、タバコの製造業者や販売業者、非耐久性家庭用品や個人向け製品の製造業者が含まれる。また、食品・医薬品小売企業を含む消費財製品の流通・小売企業も含まれる。プロクター&ギャンブル(PG)、ペプシコ(PEP)、コカ・コーラ(KO)、コストコ(COST)、ウォルマート(WMT)など
エネルギー4.40%石油・ガス、石炭・消耗燃料の探査・生産、精製・販売、貯蔵・輸送に従事する企業で構成される。また、石油・ガス機器やサービスを提供する企業も含まれる。エクソン・モービル(XOM)、シェブロン(CVX)、シュランバーガー(SLB)、コノコ・フィリップス(COP)、マラソン・ペトロリアム(MPC)など
素材2.50%化学品、建設資材、林産物、ガラス、紙、関連パッケージ製品、鉄鋼メーカーを含む金属、鉱物、鉱業会社などが含まれる。リンデ(LIN)、エア・プロダクト・ケミカル(APD)、シャーウィン・ウィリアムズ(SHW)、フリーポート・マクモラン(FCX)など
不動産2.40%不動産の開発・運営に携わる企業が含まれる。また、不動産関連サービスを提供する企業やエクイティ不動産投資信託(REIT)も含まれる。プロロジス(PLD)、アメリカンタワー(AMT)、エクイニクス(EQIX)、パブリック・ストレージ(PSA)、クラウン・キャスル(CCI)など
公益2.40%電気、ガス、水道などの公益事業会社で構成される。また、独立系発電事業者やエネルギー・トレーダー、再生可能資源を利用した発電・配電を行う企業も含まれる。ネクステラ・エナジー(NEE)、サザン(SO)、デューク・エナジー(DUK)、センプラ(SRE)など

2023年8月末時点



出所: file:///C:/Users/kingm/Downloads/fs-sp-500.pdf

取得日:2023年9月14日12:30PM

CFD取引

S&P500株価指数は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に先物取引として上場しており、多くの機関投資家が日々取引を行っています。もっとも流動性の高い株式指数ということができます。

取引額の違いによって、いくつかの株式指数金融商品になっています。その中でももっとも流動性が高いのが、「E-mini S&P 500 Futures」です。また、小口取引用に「Micro E-mini S&P 500 Index Future」という金融商品も存在します。


CMEにおいて、「E-mini S&P 500 Futures」はもっと取引されている金融商品の一つとなっています。しかしCME上場の金融商品・取引は、個人投資家には、取引をするためのハードルが高く、多くの個人投資家は、より取引が簡単なCFD取引を利用しています。CFD取引についての説明は別の資料に譲り、ここでは割愛します。また、S&P500株価指数に連動するETFも存在しており、そのETFを使って取引する個人投資家も多いです。ETFのなかには、2倍とか3倍レバレッジが効いた金融商品も存在しますが、ETFよりもレバレッジが大きく設定できるCFD取引を好む個人投資家も多数存在しています。

日計りで取引する個人投資家には、CFD取引のほうがいいのかもしれません。

FXJP SP500 components by sector
 ランク  相場表示  会社名  ウェイトリング
 1  AAPL  Apple  6.6%
2 MSFT Microsoft 6.3%
3 AMZN Amazon 3.8%
4 GOOGL Alphabet (Class A shares) 2.2%
5 TSLA Tesla 2.1%
6 GOOG Alphabet (Class C shares) 2.1%
7 NVDA Nvidia 2%
8 FB Meta Platforms (previously Facebook) 1.9%
9 BRK.B Berkshire Hathaway 1.2%
10 JPM JP Morgan Chase & Co 1.2%
変更内容企業名ティッカー実施日
追加BlackstoneBX9月18日
追加AirbnbABNB9月18日
除外Lincoln NationalLNC9月18日
除外Newell BrandsNWL9月18日

2023年8月

変更内容企業名ティッカー実施日
追加KenvueKVUE8月25日
追加Advance Auto PartsAAQP8月25日

2023年6月

変更内容企業名ティッカー実施日
追加Palo Alto NetworksPANW6月19日
除外DISH NetworksDISH6月19日

2023年5月

変更内容企業名ティッカー実施日
追加Axon EnterpriseAXON5月4日
除外First Repbulic BankFRC5月4日

2023年3月

変更内容企業名ティッカー実施日
追加BungeBG3月13日
除外Signature BankSBNY3月13日
追加InsuletPODD3月15日
除外SVB Financial GroupSIVB3月15日
追加Fair Issac & CoFICO3月20日
除外Lumen TechnologiesLUMN3月20日

このようにS&P500株価指数の構成銘柄は定期的に変更されます。

ボリンジャーバンド分析(日足、200日3σ)

他の米国株式指数との比較

株式指数構成銘柄数対象株式特徴指数採用ETF
S&P500株式指数503NY証取、Nasdaq 市場合わせた企業から500種を選定米国株式市場の大型優良企業群
Nasdaq100株式指数100Nasdaq市場に上場する時価総額上位100銘柄ハイテク中心の大型グロース株
NYダウ工業株指数30NY証取、Nasdaq 市場合わせた企業から各業種を代表する30社を選定米国を代表する超大型優良企業群
Russell 2000株価指数※注2,000時価総額上位1000社を除いた時価総額1001位から3000位の2000銘柄で構成。構成銘柄の時価総額は合わせて、ラッセル3000種指数の8%を占める。小型株を代表する株式指数
FT Wilshire 5000 株式指数※注約3,500米国株式市場の全体像を的確に反映した時価総額加重平均型の株価指数。約3500銘柄から構成。中小型株も含む米国の株式市場全体を表す株式指数

※注 ラッセル2000株式指数

https://research.ftserussell.com/Analytics/FactSheets/temp/5cfe028a-981e-4572-9b32-189a71b6e8f2.pdf

※注 Wilshire 5000 Indexについての説明は以下の資料参照

*CFD口座・法人口座を除きます。手続き等に不備がある場合は、口座開設にお時間がかかる可能性がありますのでご了承ください。

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