今日のFOMC会合の最大の結論は、FOMCの見方は10月から実質的に変わっていないということだ。 パウエル議長はこれまで、インフレ率が明らかに下がりつつある十分な証拠をFRBが目にするまで、金利は引き締め水準を維持すると示唆してきた。 それに加えて重要なのはターミナル・レートであり、利上げのペースではないとも述べていた。 今日の会合にあたって、市場はFRBが(予想よりも低かったCPI値などに)これまでの姿勢を変えるきっかけを見出したのではないかという希望を持っていたが、パウエル議長はこの期待には乗らなかった。 利上げ幅は予想通りの50bp。 2023年末の金利見通しの中央値を5.10%とする新しい経済予測サマリーを盾に、パウエル議長は「非ハト派的な」姿勢を維持することができた。 パウエル議長は依然としてコアPCEを抑制する必要があること、また失業率が依然として上がる必要があることを語り、平均時給も抑制する必要があると付け加えた。結局、FOMCは来年中は金利を下げるつもりはないということだ。
12月のFOMC会合の詳しいレビューについては、Matt Wellerのこの記事を参照してほしい。(英文のみ)
しかし市場は彼の発言を信用しているだろうか。 株価は比較的小幅ながら値下がりし、米ドルには買いの動きが見られた。 しかし、国債がパウエルの意図通りには買われていないようで、米ドル指数はその後値下がりした。 だが、それすら大した問題ではなさそうだ。 米国債2年物のレンジを見てみると、今日の安値は4.136ドル、高値は4.161ドルと値幅は2.5bpしかなく、終値は始値とほとんど変わらなかった。
出典: Tradingview、Stone X
米ドル/円を見てみよう。この通貨ペアは現在、米国債2年物との強い相関性があり、相関係数は+0.93となっている。 相関係数+0.80以上で強い正の相関があり、2種類の資産の値動きが連動すると見なされる。 米ドル/円の安値は134.51ドル、高値は135.99ドルで、値幅は148ピップス。 真の値幅の平均(下記のチャートの一番下のパネルに表示されている)は193ピップスとなっている。 つまりFOMC会合によりボラティリティが高まると思われたにも関わらず、米ドル/日本円は真の値幅の平均未満でしか取引されていない。
出典: Tradingview、Stone X
私の結論を述べよう。 FOMCが来年の金利見通しの中央値を5.1%にまで引き上げても、パウエル議長が失業率の上昇、平均時給の抑制、コアPCEの抑制について記者会見で繰り返し語っても、結局市場は見向きもしない。
金利についてのパウエル議長の発言に市場が関心を持たないとすれば、次に市場が目を向けるのは経済成長率、そして2023年に発生する可能性がある経済不況だ。 経済状況の最初のサインとなる、木曜日発表の小売売上高データに注目しよう。
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