米ドル/円の上昇始まる - 今後の動きはFRBと日銀の金利決定次第

Article By ストラテジスト

米ドル見通し米ドル /円

先週初めから一連の高値と安値が上がりつつあった米ドル/円は、現在50日間移動平均(140.63円)の上まで回復している。米国の連邦準備制度理事会(FRB)がさらに金利を引き上げると予想される中、為替レートは移動平均線の正の傾斜に追随する可能性がある。

米ドル/円の上昇始まる - 今後の動きはFRBと日銀の金利決定次第

米ドルでは今月の安値137.24円)からの上昇幅が拡大しており、200日間移動平均(136.92円)を前に反転しように見える。FRBと日銀の政策の差が広がる中で、為替レートは今年の高値(145.07円)からの下落を引き続き逆にたどる可能性がある。

David Songが市場ファンダメンタルズを概観する週間Webセミナーにぜひご参加ください。Davidが市場の見通しを語り、リアルタイムで質問に答えます。登録はこちらから

出典:CME

CMEのFedWatchツールによると、市場参加者は25bpの利上げの確率を90%以上と見込んでいる。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)がさらなる引き締め政策を進める可能性を維持する限り、この展開は米ドル円の強気な反応につながるかもしれない。

とはいえ、FRB利上げサイクル終わりが近付いているようにも思われることから、金融政策のフォワードガイダンスに変更があればドルへの逆風につながる可能性がある。そうなれば2024年には米国の金利低下するという思惑がある、米ドル円はここ一連の高値と安値の上昇維持に苦労するかもしれない。

日本経済カレンダー

FOREX.com経済カレンダー

いずれにせよ、日銀の政策決定は米ドル/円の価格維持につながるだろう。日銀は政策変更を急いでおらず、政策委員会はイールドカーブ・コントロール(YCC)を伴う量的・質的緩和(QQE)に固執する様子を見せている。植田和男総裁インドで行われたG20会合での講演「前提が変わらなければ、我々の金融政策に関する全体的なシナリオは変わらない」と主張した

これを踏まえた上で、日銀がさらに同じメッセージを出し続ければ、円にとっては重石になると思われる。加えてFRBがインフレ対策に積極的な姿勢を示せば、米ドル/円は50日間移動平均(140.63円)の正の傾斜に追従するかもしれない。

日本円価格チャート - USD/JPY 日足

チャート作成:ストラテジスト、David Song TradingView米ドル

  • 米ドル円は今月の安値(137.24)からの上昇を続け、200日間移動平均136.92)を前に反転したように見える。相対力指数(RSI)も同様の動きを見せており、売られ過ぎの領域を前に反転している
  • 4日間の値上がりによって、米ドル円は50日間移動平均(140.63円)超えて回復した。今月の高値144.92円)からの下落を逆にたどりつつ、為替レートは移動平均の正の傾斜に追随していく可能性がある。
  • 141.5038.2%フィボナッチエクステンション)142.5061.8%フィボナッチリトレースメント)のゾーンを上抜けするか、終値でここを上回れば6月高値(145.07に向けてさらに上昇する可能性が高まる。この場合次の注目エリアは145.90円(50%のフィボナッチエクステンション)~146.70円(78.6%のフィボナッチリトレースメント)付近となる。
  • しかし強気の値動きを維持できなかった場合には、米ドル円は138.70円(78.6%フィボナッチエクステンション)~140.00円(23.6%フィボナッチリトレースメント)のエリアへと押し戻される可能性があり、今月の安値137.24円)を下回った場合には136.00円(23.6%フィボナッチエクステンション)~136.70 (38.2%フィボナッチリトレースメン)の領域が視野に入ってくる。



  1. 口座開設ページでご自身に最適なFOREX.com口座を選択
  2. 必要書類のアップロードとともに口座開設のお申込み
  3. 取引プラットフォームにログインしてお取引開始


本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。