米ドル/円見通し
米非農業部門雇用者数(NFP)の予想を超える増加の後、米ドル/円の4日連続の下落は止まった。同ペアは上昇チャネル内での取引が続き、5月の高値(140.93円)からの下落を逆に辿ろうとする可能性がある。
NFP発表後に米ドル/円価格は回復、6月のオープニングレンジが焦点に
今週初めからの一連の高値と安値は下げ止まり、米ドル/円のチャネルレジスタンスからの引き戻しは一巡したように見える。同ペアの取引価格の回復は米国債利回りの反発と軌を一にしている。David Songが市場ファンダメンタルズの見通しを語る週間Webセミナーにぜひご参加ください。ここから登録
33万9,000人増というNFPの値に対する反応から、今月のオープニングレンジへの関心が高まっている。6月14日の次回の政策金利決定を控え、連邦準備制度理事会は情報発信を控える「ブラックアウト」期間に入っており、米国中央銀行のジェローム・パウエル議長と仲間たちが経済予測サマリー(SEP)を更新を予定する中、現在の雇用の伸びが中央銀行を動揺させるのかどうかはまだ不透明だ。
出典: CME
それまでは、米国の金融政策をめぐる思惑が米ドル/円に影響を与える可能性がある。FedWatchツールでは、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げサイクルを一時停止する確率を70%超としている。日銀が依然として政策転換を急いでいないとしても、米国の金利上昇に対する期待が薄れていることから、為替レートの最近の反発に歯止めがかかる可能性はある。
以上を踏まえ、チャネルレジスタンスからの引き戻しが起きていることからFOMC会合を前に米ドル/円価格により大きな調整がかかる可能性はあるものの、今週に入ってからの高値と安値は下げ止まりを見せており、NFP発表後の反発によって6月のオープニングレンジが焦点となっている。
日本円価格チャート-米ドル/円日足
チャート作成:ストラテジスト、David Song。TradingViewのUSD/JPY
- 米ドル/円は先月、上昇チャネル内での取引を続けつつ今年の高値(140.93円)を記録し、この為替レートの上昇によって相対力指数(RSI)が今年初めて買われ過ぎの領域に入った。
- しかし、70を超えるRSIの動きは短時間で終わり、米ドル/円はチャネルのレジスタンスラインから引き戻され、今週初めからの一連の安値と高値が下げ止まりを見せる中、6月のオープニングレンジが焦点となっている。
- 138.70円(78.6%のフィボナッチエクステンション)~140.00円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)付近を下回ると、200日間移動平均(137.30円)に向かう可能性が高まる。その下の注目ポイントは136.00円(23.6%のフィボナッチエクステンション)付近。
- 同時に、138.70円(78.6%のフィボナッチエクステンション)~140.00円(23.6%のフィボナッチリトレースメント)付近を下回ることがなければ、米ドル/円はチャネルレジスタンスに戻る可能性があり、5月の高値(140.93円)を突破すれば141.50円(38.2%のフィボナッチエクステンション)が再度視野に入ってくる。
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