米ドル/円は月初レンジを上抜け、今年の最高値の視野に
米ドル見通し:米ドル/円
米ドル/円は高値・安値ともに4日連続で値上がりを続けており、8月初めのレンジを突破して今年の高値(145.07円)を試す勢いとなっている。
米ドル/円は月初レンジを上抜け、今年の最高値の視野に
米国の7月の生産者物価指数(PPI)は予想値の0.7%を上回る0.8%となり、米ドル/円は月の高値を更新した(144.90円)。日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)による量的・質的緩和(QQE)に固執する中、米国から発表されるデータが今後も為替レートを左右する可能性がある。
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米国経済カレンダー
結果として、米国の小売売上高の最新値は米ドル/円価格を支える可能性がある。7月の家計支出は0.4%増と予想されており(前月は0.2%増)、景気後退が迫っている兆候はほとんど見られないことから、民間セクターの消費が回復すれば連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ対策をさらに推し進める可能性がある。
出典:アトランタ連銀
一方、アトランタ連銀のGDP Nowモデルの次回の更新では、「2023年第3四半期の実質GDP成長率(季節調整済み年率)の予想は、8月1日時点での3.9%から、8月8日には4.1%へ」と、再び上方修正される可能性がある。しかし米国の小売売上高が予想を下回ったことで、米連邦公開市場委員会(FOMC)には利上げサイクルの終了を迫る圧力がかかり、米ドルに逆風が吹く可能性がある。
以上を踏まえると、米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策の引き締めを進める可能性が残っていることから、米国から発表されるデータが引き続き米ドル/円の動向を左右するだろう。しかし月初のレンジを超えたことで、高値と安値がともに上がり続ける中、今後は今年の最高値(145.07円)を試しに向かう可能性がある。
米ドル/円日足チャート
チャート作成:ストラテジスト、David Song。 TradingViewの米ドル/円
- 米ドル/円では、高値と安値の値上がりを続けつつも、50日間移動平均線(141.70円)を前に反転しているように見える。為替レートは今年の高値(145.07円)に近づきつつ、移動平均の正の傾斜に追従する可能性がある。
- 145.90円(50%のフィボナッチエクステンション)~146.70円(78.6%のフィボナッチリトレースメント)付近を上抜けするか、終値でこの領域を上回った場合には、米ドル/円は2022年11月の高値(148.83円)に向かう可能性がある。その後の注目エリアは149.40円(100%のフィボナッチエクステンション)~150.30円(61.8%のフィボナッチエクステンション)付近となる。
- しかし、145.90 円(50%のフィボナッチエクステンション) ~146.70円 (78.6%のフィボナッチリトレースメント) 付近を上抜けできない、または終値でここを上回ることができない場合には、相対力指数 (RSI) が買われすぎの領域を依然として大きく下回っているため、米ドル/円は移動平均線まで押し戻される可能性がある。
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本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。
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