米ドル予想:FRBと日銀の政策決定会合を前に米ドル/円はプルバック

Article By ストラテジスト

米ドル見通し:米ドル/円

米ドル/円は、今週末に予定されている米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行(BOJ)の利上げ決定を控え、今年の高値(147.95円)付近で推移している。金融政策の乖離が続けば、為替レートの強気トレンドは続くだろう。

 

米ドル予想:FRBと日銀の政策決定会合を前に米ドル/円はプルバック

米ドル/円は、50日間移動平均線(144.00円)の正の傾斜への追従が見られることから、さらに202211月の高値(148.83円)を試す可能性がある。また、金利の据え置きが予想されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の新たな動向も値動きを揺さぶる可能性がある。

 

米国経済カレンダー

FOREX.com 経済カレンダー

FOMCは利上げサイクルの終盤に差し掛かっていると思われ、今回の会合で政策に変更がなければドルにとっては逆風となる可能性がある。また、パウエル議長らが2024年の利下げを示唆していることから、経済予測サマリー(SEP)の更新により政策転換が迫っているとの思惑があおられる可能性もある。

 

FRB経済予測サマリー(SEP)

6月の予測によると、インフレ率の冷え込みが予想されていたことから、FRBの当局者は今後数年間は金利が低下すると見ていた。しかし金利のドットプロットが再び上方修正されれば、市場参加者はより制限的な政策に備えるため、米ドル市場で強気な反応を引き起こすかもしれない。

 

日本経済カレンダー

結果として米ドル/円は、日銀がイールドカーブコントロール(YCC)を伴う量的質的金融緩和(QQE)に固執していることから強気トレンドを示し続ける可能性がある。植田和男総裁らが「忍耐強く金融緩和を継続しつつ、一方で経済活動や物価、金融情勢の変化に機敏に対応する」と公言しているとおり、日銀が今後もハト派的なガイダンスを維持するかどうかは未知数だ。上記を踏まえた上で、両国の金融政策のアプローチが異なる中、FRBと日銀の政策決定は米ドル/円の短期的な見通しに影響を与える可能性がある。為替レートは50日間移動平均線(144.00円)の正の傾斜に追随しているように見えることから、202211月の高値(148.83ドル)をさらに試そうとするかもしれない。

 

米ドル/円日足チャート

チャート作成:ストラテジスト、David SongTradingViewの米ドル/円

  • 相対力指数(RSI)が買われすぎの領域まで上がらなかったにもかかわらず、米ドル円は前週に今年の高値(147.95円)を更新した。為替レートは50日間移動平均線(144.00円)の正の傾斜に追従しているように見えることから、引き続き強気トレンドを示す可能性がある。
  • これにより米ドル/円は202211月の高値(148.83円)をさらに試す可能性がある。149.40(100%のフィボナッチエクステンション)~150.30円(61.8%のフィボナッチエクステンション)近辺が次の注目エリアとなる。
  • ただし202211月の高値(148.83円)を試すのに失敗した場合は、米ドル/円でより大きなプルバックにつながる可能性がある。145.9050%のフィボナッチエクステンション)~146.70円(78.6%のフィボナッチリトレースメント)のエリアを下回る動きとなった場合、今月の安値(144.45円)が視野に入ってくるだろう。



  1. 口座開設ページでご自身に最適なFOREX.com口座を選択
  2. 必要書類のアップロードとともに口座開設のお申込み
  3. 取引プラットフォームにログインしてお取引開始


本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。