米ドル指数の上昇は肩透かしに終わるか?

米ドル指数(DXY)は928日、114.78でここ20年間での最高値の水準に到達した。  以来、指数は下降を続けている。  直近のDXYは、短期的な最高値である107.99をつけた20221121日からの下向きのチャネル内で、安定したペースで下降を続けていた。  その後は20221月の安値から20229月の高値の50%のリトレースメントレベルにあたる104.72ドル付近をじりじりと割りつつあった。  しかし今年に入ってからのDXYの値動きの傾向は変わりつつあるようにも見えた。  13日、DXYはチャネルの上端のトレンドラインを突破し、15まで上昇を続けた。  とはいえ金曜には米国の平均時給と非製造業PMIが公表され、FOMCのタカ派的姿勢が変化する可能性が浮上し、結果としてDXYは先述のチャネル上端のトレンドラインへと逆戻りする。さらに月曜にはチャネルの内側に戻っただけではなく、20215月からの長期的なトレンドラインをも割り込んだ。  チャネル上端のブレイクアウトは一時的なものに過ぎなかったのだろうか?もしそうであれば、パターンの片側のブレイクアウトに失敗した場合、価格はしばしば逆側を試す動きに入る。  そのためDXYの目標値の下値は101.30付近となり、これは2022530日からの安値でもある。  この価格に到達するまでには、先述の期間の61.8%のフィボナッチリトレースメントにあたる最初のサポートラインを割り込むはずだ。  もし価格が上向きに転じれば、レジスタンスラインはチャネル上端のトレンドラインと今日の高値である103.94。その上では先日の高値である105.63200日間の移動平均である106.33まで上がる可能性がある。

Source: TradingviewStone X

外貨ペアで取引をするFXトレーダーであれば、米ドル指数よりは米ドル/スイスフランに目を向けるといいだろう。  チャート下部のパネルで示した通り、この通貨ペアはDXYと強い正の相関がある。  この2つのアセットの現在の相関係数は+0.88  相関係数が+0.80を超えると強い正の相関があると見なされる。  このためDXYがある方向に動くと、米ドル/スイスフランも同じ方向に動く傾向がある。

Source: TradingviewStone X

20221121日、ドル指数は直近高値を更新し、USD/CHF0.9598付近を推移していた。  しかし、ドル指数が下降チャネル内で取引されていたため、USD/CHFは下降ウェッジを形成していた。  13日、ドル指数がチャネルを上抜けると、価格はウェッジの上端トレンドラインを上抜けた。  本日、ドル指数がチャネルに戻ったため、USD/CHFもウェッジ内に戻されている。  この動きがウェッジ上抜けのだましに終わった場合、価格はウェッジのもう一方の側まで動く可能性がある。  そこを割ると、2022年安値の0.9192が控えている。  レジスタンスは本日高値の0.9167、その次が昨日高値の0.9409だ。   USD/CHFがここを上回って推移すれば、次のレジスタンスレベルは1121日高値の0.9598までない。

ドル指数は短期チャネル上限上抜けのだましを呈しているのかもしれない。  もしそうであれば、ターゲットはチャネルの底となる。  USD/CHFはドル指数と強い相関関係にある。  故に、ドル指数というよりも、通貨ペアを取引したいのなら、USD/CHFはうってつけの選択肢となるだろう。

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