市場は今週ずっと米国の12月のCPI発表を待ちわびていたようだ。 総合PCEは6.5%。予想値は前年比6.5%、先月は前年比7.1%だった。 今日発表された数値は2021年10月以来最低で、インフレ率は6か月連続で下がったことになる。 食品価格とエネルギー価格を除いたコアCPIも下落した。 12月のコアPCEは5.7%で、予想値は前年比5.7%、先月は前年比6%だった。これはここ1年で最低値となる。
米国のCPIは望ましい方向に向かっているものの、前月比も確認しておくとよいだろう。12月の前月比は-0.1%。予想値は0%、11月の前月比は+0.2%だった。 前月比ではなんと2020年5月以来最初の下落となる。この下落にもっとも大きく貢献したのはガソリン価格だが、中古車価格や航空料金の値下がりも含まれている。
CPIデータの発表前後、米ドルのボラティリティは極端に上がった。予定よりも早くデータがリークされたと思われたことから、CPI発表の1分前、ユーロ/米ドル価格は45ピップスの急な値上がりを見せた。 しかしCPIが発表されると、その数値が「予定通り」であったことから、ユーロ/米ドルはその後の1時間1.0727ドル~1.0838ドルの間で取引された。ユーロ/米ドルは今後も値上がりを続けるだろうか?
Source: Tradingview、Stone X
日足では、ユーロ/米ドルは9月28日に0.9536ドルで2022年の最安値をつけた後、値上がりを続けていた。 2022年2月以来強力なレジスタンスラインとなっていた1.0350ドル付近と200日移動平均を抜け、このペアの価格はチャネルの上端を成すトレンドラインを突破している。 その後2022年11月から今日にいたるまで、新しい上向きのチャネル内で値動きを始めた。 ドルが弱くなり、このペアのは2022年の安値から2022年の高値の61.8%のリトレースメントレベルにあたる1.0747ドルまで上昇した。
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240分足を見ると、ユーロ/ドルは1.0840ドル付近で上向きのチャネル上端のトレンドラインを試す展開になっている。 価格がこのまま上がり続けるなら、次のレジスタンスレベルは2022年4月21日の高値である1.0936ドル。その後は3月31日の高値である1.1185ドルとなる。とはいえ、RSIでは買われすぎの領域に入っていることに注意しよう。 これは価格が下がりうるということを示している。 ユーロ/米ドルが値下がりすれば、最初のサポートラインは1.0635ドル。 そこを割ると、長期的なチャネルの下端をなすトレンドラインを1.0520ドル付近で割り込み、その後は1月6日の安値である1.0482ドルまで下落する可能性もある。
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CPIの上昇ペースがますます鈍っていることから、FRBが利上げのペースを落とす、ないしは利上げを一時停止する材料はそろったと見られる。 結果として、米ドルは値下がりし、ユーロ/米ドルは値上がりを続けている。 米国のインフレの減速を示すデータが今後も出続ければ、ユーロ/米ドルは上がり続けるはずだ。
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