米国CPIは予想を下回る、米ドルは暴落
10月の米国消費者物価指数(CPI)は前年比7.7%で、前年比8.0%という予想と、9月の前年比8.2%を大きく下回った。 6月の前年比9.1%をピークとして、これでインフレ率は4か月連続で下がったことになる。 コアCPIも前年比6.5%の予想に対し、前年比6.3%まで下落した。ここ40年間での最高値となる先月の前年比6.6%に比べると、はるかに低い値だ。
これを受けてFOMCの動きに注目が移っている。 CPIが予想よりも低かったことで、FOMCは12月の会合での利上げを50bpに「とどめる」ことができるだろうか? 6月以降のCPIは前年比9.1%、8.5%、8.3%、8.2%、そして今月が7.7%だった。 これはFOMCによる積極的な利上げの効果が出ているということだろうか? フェデラル・ファンド金利は、2022年初頭の0.00%/0.25%から上昇を続け、現在は3.75%/4.00%となっている。前回のFOMC会合時の声明では「利上げのペースを決める際は、これまでの規制強化の積み重ね、政策の遅れ、経済及び金融の成長を考慮する」と述べられていた。 この文言からは、過去の利上げが経済にどのような影響を与えたか見極めるために、FOMCには利上げのペースを落とす用意があるという印象を受ける 声明発表後の記者会見では、FRBのパウエル議長が「金利をどこまで上げるかが、引きしめのペースよりも重要である」と示唆した。 つまりFOMCの利上げが50bpになるか75bpになるかよりも、ターミナル・レートの方が重要であるということだ。 今日発表されたインフレ率を受け、順当にいけばFOMCは12月の会合で50bpの利上げを行うと思われる。 CME FedWatchツールによると、CPIの発表以降、12月の会合で利上げ率が50bpとなる可能性は80%を超えている。
出典: CME
今日のCPIデータ公表後、米ドル価格は垂直落下した。 特に米ドル/円は146.22円から141.55円にまで下落している。
出典: Tradingview、Stone X
米ドル/円の日足を見ると、緩やかに値が戻りつつあったこれまでの流れと対照的に大規模な売却が起きているのがわかる。 日本は9月22日に外国為替市場への初めての介入を実施したがこの時の値下がりはわずか175pips、つまり1.22%にとどまった。 財務省は10月21に再び市場介入を実施し、この時の米ドル/円価格は250pips、つまり1.65%押し下げられた。 今日の売却が続けば、円高に向けて円買い介入よりもはるかに大きな効果を発揮するはずだ。 今日、この通貨ペアは464pips、つまり3.18%下落している(本稿執筆時点)。 3種のサポートラインは、まず9月 22日の安値である140.35円付近、次に長期的な上向きのチャネルの下端をなすトレンドラインの139.80円付近、および7月15日の高値である139.39円付近となっている。 レジスタンスラインは10月27日の安値である145.10まで見られない。
出典: Tradingview、Stone X
今日のCPIの値を受け、FOMCは利上げのペースを落とすだろうか。 市場はそう考えているようだ。 とはいえ、ミシガン大学消費者信頼感指数(金曜発表)、コアPCE、NFPレポート、およびFOMCの次回会合前に発表される次のCPIなど、この後もインフレの判断材料が控えていることは覚えておきたい。 今後1か月で状況が大きく変わる可能性がある。
フォレックス・ドットコムでは、ノックアウトオプション、FX、株価指数CFDを取引いただけます。
口座開設は以下のステップで行えます。
- 口座開設ページでご自身に最適なFOREX.com口座を選択
- 必要書類のアップロードとともに口座開設のお申込み
- 取引プラットフォームにログインしてお取引開始
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。
金融商品取引法に基づく表示
【概要】
商号等:StoneX証券株式会社
金融商品取引業:関東財務局長(金商)第291号
加入協会等:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会 会員番号1539
【苦情相談窓口】 StoneX証券株式会社 クライアントサービス 電話:0120-288-168 / 03-6868-2123 (受付 平日 9:00-17:00)
【指定紛争解決機関】
証券・金融商品あっせん相談センター 電話:0120-64-5005(受付 平日 9:00-17:00 )
- 当社の外国為替証拠金取引(FX取引)、CFD取引及びオプション取引(以下、「すべての取引」といいます。)は、元本および収益が保証されているものではありません。FX取引及びCFD取引はレバレッジを利用して取引代金に比較して少額の証拠金で取引を行うために、相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、思わぬ損失が発生する場合があります。取引に必要な証拠金は、FX取引の場合、個人は売買代金の4%、法人の場合は金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額(=法定レバレッジで計算した必要証拠金額)以上の証拠金額が必要となります。株価指数CFD取引の場合、必要な証拠金は、個人は10%です。法人は0.5%からですが、取引量に応じて証拠金率が増加する方式を採用しています。但し、FX取引及びCFD取引において、リスク管理のため、特定の通貨ペア又は銘柄には上記より高い証拠金率(=低いレバレッジ)が適用されています。オプション取引の場合、予測と反対方向に外国為替市場が動き原資産価格がノックアウトレベルに達すると価値はゼロとなります。想定した前提と異なる場合や金利調整額、円転レートの変動により、口座残高がマイナスとなるリスクがあります。
- すべての取引は、相場の急変時や週初の取引開始時等に、ロスカット、注文形態、価格配信の停止・再開により発注レートと約定レートが大きく乖離したり、停止時と再開時の配信価格にギャップが生じる等の理由で預け入れた資金以上の損失が生じる可能性があります。
- すべての取引の前に「店頭デリバティブ取引に係るご注意」「お取引前の重要説明事項」「顧客取引契約書」等の規程、約款、マニュアルを必ず熟読し、取引の内容、危険性等をご理解いただいた上で、ご自身の判断と責任にてお取引ください。 各書類につきましては当社ウェブサイトのダウンロードセンターをご確認ください。
- 通常口座のFX取引及びCFD取引の取引手数料は無料ですが、FX取引のプロトレード口座では、取引数量100,000米ドルあたり片道8米ドル(消費税込み)の手数料がかかります。また、当社が提示するレートには買値と売値に差(スプレッド)があります。オプション取引の場合、スプレッドがあり、取引時に最大損失額がオプション料として生じます。主要国政策金利の極端な変更や雇用統計など重要経済指標の発表前後、為替市場の流動性が著しく低下した場合(年末年始・クリスマス時期など)や相場急変時(震災などの天変地異や戦争など)においては、スプレッドが拡大することがあります。
- すべての取引において、市場環境の急激な変化、パソコンの不具合、ネットワークの不具合、システム障害等、予期せぬ事象の発生などにより、取引ができなくなることおよび損失が生じることがあります。
※本ウェブサイトの内容の無断引用・転載・配布を禁じます。