米国の1月のCPIは、予想値の前年比6.2%、および12月の前年比6.5%に対し、前年比6.4%となった。 数値は予想を上回ったものの、2022年6月の前年比9.1%をピークとして、7か月連続の低下となった。 1月の値は2021年10月以来最も低いものだ。 ちなみにFRBの目標インフレ率は2%である。 総合CPIの他、1月のコアCPIは前年比5.6%だった。予想値は前年比5.5%、および12月は前年比5.7%となっていた。 こちらは2022年9月に前年比6.6%でピークとなって以来、4か月連続で低下しており、 また2021年12月以来の最低値となっている。 12月に比べてインフレ率が低下したことはFRBを満足させるはずだが、値自体は目標の3倍以上だ。 FOMCが(CPIももちろん確認しているとはいえ)インフレ率の指標として好んで用いているコアPCEは2月24日まで発表されず、FOMCの次の会合も3月22日とかなり先だ。 つまりFOMCのもとには、次の会合までに(2月のCPIも含め)さらに多くのインフレデータが集まることになる。 市場では現在、3月のFOMC会合で25bpの利上げが行われる確率を90%と見込んでいる。
CPIデータ公表時に米ドル指数のボラティリティは極端に上昇し、15分の間に102.59~103.21の間で取引された。その後もボラティリティの高い状態が続き、日足レンジ内に戻るまでに103.52近くの高値を付けた。
出典: Tradingview、Stone X
240分足では、DXYは2月2日に100.82付近で短期的な安値を付けて以降上昇を続けており、 1月6日の高値から2月2日の安値までの61.8%のフィボナッチリトレースメントレベルをたどって、103.79に到達した。 その後は値下がりしてペナントパターンを形成し、2月10日にブレイクアウトした。 しかしCPIデータの発表後、DXY価格は再び値下がりして、ペナントの上側のトレンドラインと2月9日の安値にあたる102.64付近を再度試す展開となっている。 最近の高値である103.96を超えて値上がりが続けば、次のレジスタンスラインは1月6日の高値である105.63まで存在しない。 これはペナントのターゲット価格にも近い。 しかし、値下がりに転じて今日のレンジを割り込めば、その次のサポートラインはペナントの下側のトレンドラインにあたる102.25付近になる。 その下では水平サポートラインが101.55で交差しており、さらに下は2月2日の安値の100.82ドルとなる。
出典: Tradingview、Stone X
ユーロ/米ドルの240分足では、2月2日に1.1033ドルで短期的な高値を付けて以降、値下がりが続いていた。その後値上がりに転じ、1月6日の安値から2月2日の高値までの61.8%フィボナッチリトレースメントを1.0655ドルで超えた。 その後も順調に値上がりを続け、今日は水平レジスタンスラインと、2月2日の高値から2月13日の安値までの38.2%のフィボナッチリトレースメントレベルにあたる1.0804ドル近くにまで達した。 ユーロ/米ドルが値上がりを続けた場合、次のレジスタンスレベルは同じ期間の50%リトレースメントにあたる1.0844ドル、そして水平レジスタンスラインと61.8%のフィボナッチリトレースメントにあたる1.0888ドルとなる。 しかしこの通貨ペアが、今日の安値である1.0708ドルを割り込んだ場合は、最初のサポートラインは2月13日の1.0655ドル、そして水平サポートラインの1.0635ドルとなる。 そこを割ると1月6日の安値である1.0482ドルまで下落する可能性がある。
出典: Tradingview、Stone X
米国の1月のCPIは予想値を上回ったものの、12月の値は下回った。 FOMCの会合は3月22日であるため、FRBのもとには今後さらにインフレ関連のデータが集まることになる。 そのため、米ドル価格は目下のところレンジ相場が続きそうだが、 サポートレベルとレジスタンスレベルには注意してほしい。 それぞれのレベルを超えるか、または割り込めば、米ドル価格とユーロ/米ドルの相場は大きく変わる可能性がある。
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