火曜日のテクニカル分析:ユーロ/米ドル、ゴールド、ラッセル指数
テクニカル分析の愛好者にもトレーダーにも役立つ注目のマーケットを紹介する。
火曜日のテクニカル分析にようこそ。この週次レポートシリーズでは、テクニカル分析の愛好者にもトレーダーにも役立つ注目のマーケットを紹介する。
今週は初めにドルの値動きを取り上げた後、ユーロ/米ドル、ゴールド、そして米国の小型株で構成されるラッセル指数のテクニカル分析を行う。
- PPIは予想を下回るも、ドルは直近の安値を抜け出す
- ユーロ/米ドルの値上がりはひと段落か
- ゴールドは主要レジスタンスゾーンから下落
- ラッセル指数は逆三尊の右肩を試す展開
PPIは予想を下回るも、ドルは直近の安値を抜け出す
最近下落が続いていたドルは最安値を付けた後、PPIの公表値が予想を下回ったにもかかわらず反発して安値を脱している。強気市場に戻るはっきりとした兆候はまだ見られないものの、英ポンド/米ドルの1.20ドルを含め、ドルはいくつもの主要な通貨ペアでテクニカル分析上重要なエリアの上値に向かいつつある。ドルの弱気筋であれば、ここしばらくの激しい値動きを踏まえて慎重に進んだ方がよさそうだ。
報道を見逃した方のために記載しておこう。PPIの上昇率は全面的に低かった。
- PPI 前月比 0.2%(予想0.4%)、前年比8.0%(予想8.3%)
- コアPPI 前月比0.2%(予想0.3%)、前年比6.7%(予想7.2%)
このPPIデータは、予想を驚くほど下回りドルの急落とリスク資産の高騰を引き起こした先週のCPI公表に続くものだ。
今のところは小幅にとどまっているドルの反発からは、FOMCの(比較的穏健な)談話に続く実際の行動に、市場が期待を寄せていることがうかがえる。PPIが予想よりも小幅な上昇にとどまったことで、FOMCがより穏健な姿勢に切り替えるという見方がさらに強まっている一方、他の各国の中央銀行も追随する可能性が高いことから、他の通貨と比べてドルは依然として有利な利率を保ち続けると見込まれる。そのため、ドルはここしばらくの急な下落傾向から簡単に回復する可能性があり、それに応じてユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなどの通貨ペア、およびゴールドが弱くなるかもしれない。また、1か月単位でのデータに惑わされないことも非常に重要だ。徐々に下がり始めているとはいえ、インフレ率は依然としてFOMCの目標値を大きく超えており、中央銀行が利上げを停止するめどはまだ当分は立たない。
ユーロ/米ドルの値上がりはひと段落か
日足: ユーロ/米ドルは直近のハードルとなっていた2017年の安値、1.0340ドルを抜け、200日間の移動平均である1.430ドル付近を試す展開を見せた。先週の大幅な値上がりにより、短期的な見通しとしては「買われすぎ」の価格に至ったことで、そこからは当然ながら売り展開が続いている。 強気相場が順調に続くには、現在は1.0340ドル周辺のサポートエリアの維持が必要となっている。サポートエリアが維持されず、月曜の安値である1.0270ドルを割れば、相場は弱気筋に有利な方向に傾くだろう。
週足: ユーロ/米ドルは2017年の安値である1.0340ドルと心理的にキリの良い1.0500ドルの間に形成された大きなレジスタンスレンジに到達している。長期的な弱気相場を踏まえれば、先週の急激な値上がりの後で売り展開が始まったとしても意外ではない。この時間枠での次のサポートレベルは1.0090ドル周辺のブレイクアウトエリアだ。つまり一度底値に達したとはいえ、日足チャートで示されたより短期的な水準が破られた場合は、さらに大きな下落を示す可能性がある。
金、重要レジスタンスゾーンから下落へ
金は1780ドルから1800ドルのエリアに入った後、下落に転じている。ここは2月に大きなサポートとなった場所で、その後大幅に下落し、7月には最終的にここを下抜けている。続く8月にこのエリアを再び試したが、抜けきれず続落する運びとなった。
ここで再び、金が次にどう動くかは、部分的にトレーダーの判断に委ねられるだろう。このエリアが再びレジスタンスとなり、金が下落すれば、次に$1722~$1735付近のブレークアウトエリアを再び試すかもしれない。
一方、このエリアの上で推移できるようであれば、再び強気の展開となり、金投資家にとってフラストレーションの溜まる年となっているが、さらなる強気の相場が戻ってくる可能性もある。
ラッセル2000、三尊右肩を試す
米小型株は現在、潜在的にターニングポイントを迎えている。1880~1905のレジスタンスゾーンを試すところに来ている。ここに、8月高値からの61.8%フィボナッチリトレースメントで収斂している、ヘッドアンドショルダー反転パターンの2番目のショルダーが潜在的に存在する。そのため、まだ弱気相場ならば、ここがその弱気を維持できるかどうかの重要エリアだ。確実に維持するには、弱気と見ている投資家は、日足終値ベースで200日移動平均線を割り込むよう押し戻す必要があるだろう。もしそうなれば、最低限、次のサポートレベルの1813まで下落する可能性がある。
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