今日発表された雇用統計データは、引き続きFOMCの2つの目標のうち「最大限持続可能な雇用」を満たす形となっている。
10月の米国の非農業部門雇用者数は、予想の20万人増を大幅に上回る26万1千人増となった。先月は31万5千人増であった。 失業率は3.5%から3.7%に上昇し、労働参加率は先月の63.3%から62.2%に下落した。 さらに平均時給の上昇率は0.3%から0.4%に増加した。 今日発表された雇用統計データは、引き続きFOMCの2つの目標のうち「最大限持続可能な雇用」を満たす形となっている。これによりFOMCはもうひとつの「物価安定」の目標達成を目指すべきであるという確信を維持するだろう。 FRB議長ジェローム・パウエルは、インフレに合わせて賃金上昇が続く必要があると述べつつ、あまりに急な上昇も避けるべきだと語った。 賃金上昇が急すぎると「問題が起きる」という。
雇用統計公表直後、予想よりも良好な結果であったことから米ドル指数はまず上方向に反発した(データが良好ならさらなる利上げにつながるため、米ドル価格は上昇する)。 とはいえ数秒もたたないうちに指数は下落に転じる。雇用統計のデータがFOMCの全体的な見方に影響を与えるものではないことに、トレーダー達が気付いたからだ。FOMCの声明によると「利上げのペースを決める際は、これまでの規制強化の積み重ね、政策の遅れ、経済及び金融の成長を考慮する」という。 雇用統計はこの筋書きを変えるものではないので、FOMCがより高いターミナル・レートを目指す可能性があるとはいえ、「利上げペースの減速」が目下の市場の焦点となっているのだ。
出典: Tradingview、Stone X
非農業部門雇用者数データの重要度がこのように低く、さらに中国ではコロナ対策による規制が一部緩和されつつあるという報道があることから、対蹠地の通貨が買われている。 本記事の執筆時点では、豪ドル/米ドル価格が1日で3%の上昇を見せている。 0.7650ドル付近をつけた4月5日以来、この通貨ペアは下降チャネルラインに沿って下落しており、現在も依然として下降チャネル圏内での取引が続いている。
出典: Tradingview、Stone X
より短い240分足では、豪ドル/米ドルは短期間での下降チャネルを脱して横ばいで取引されており、風向きが変わり始めている可能性はある。 豪ドル/米ドルは、10月22日の高値、8月15日の高値から10月13日の安値までの38.2%のフィボナッチリトレースメント、そして0.6529ドルから0.6540ドルまでの50日間の移動平均(日足参照)が合流するレジスタンスラインに近づきつつある。 価格がここを超えると、次のレジスタンスラインは同じ期間の50%リトレースメントとなる0.6647ドル、その次が水平レジスタンスラインの0.0671ドルだ。ただし、もし価格が下落すれば、最初のサポートラインは11月3日の0.6272ドル、その後は10月13日の安値である0.6170ドルとなる。 そこからさらに下落が続けば、長期的なチャネルのトレンドラインの底値は0.6100ドル付近だ。
出典: Tradingview、Stone X
雇用者数データが予想よりも力強いものだったことから、FOMCは「物価安定」の達成が見られるまで現在の姿勢を続ける可能性が高い。その一環として、12月の会合で利上げを50bpsにとどめる可能性もある。加えて中国でコロナ対策による規制に緩和の兆しが見られるというニュースがあったことから、豪ドル/米ドルが買われている。12月の会合でFOMCが利上げを50bpとするか75bpとするかは、来週の消費者物価指数(CPI)のデータでより見通しが明確になるだろう。
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