ナスダック100分析:低調な売上高が「毒リンゴ」に、NDXは15,250まで下落

Article By: Head of Market Research

ナスダック100のまとめ

  • 米国の第二四半期の業績発表はまちまちだった。多くの企業の業績は予想を上回ったものの、トップラインは前年比0.6%増にとどまる見込みだ。
  • 特にアップルやテスラといった比重の高い銘柄の弱さがナスダック100NDX)の価格の重しとなっている。
  • NDXでは今週は15,250水準に注目が集まっており、この水準を割り込むとさらに値下がりが続くおそれがある。

ナスダック100のファンダメンタルズ分析

このとおり、企業決算シーズンは(ほぼ)終わりつつある。

今週末の時点で、S&P500構成銘柄の84%が第2四半期の業績を発表し、うち79%がアナリストの予想を上回って、最大75%という長期的な平均よりも高い結果になった。こうした表向きは堅調な数字にもかかわらず、主要株価指数は決算シーズンが本格化した7月中旬以降、ほぼ横ばいで推移している。

考えられる原因のひとつは、売上高が予想を下回っていることだ。第2四半期決算を発表したS&P500企業のうち、アナリストの業績予想を上回ったのは「わずか」65%に過ぎない。企業決算の分析に強いFactSetによると、今四半期の売上高の前年比成長率は0.6%にとどまり、新型コロナによるシャットダウンの時期以来、最も低調な数字になると予想されている。

この決算シーズンで株価指数が伸び悩んでいるもう一つの理由は、上位銘柄への集中だ。特にS&P500やナスダック100のような、時価総額による重み付けが大きい株価指数では、アップル(AAPL)やテスラ(TSLA)のような最もウェイトの高い「ビッグテック」企業の株価の下落が、指数の下落につながっている

ナスダック100のテクニカル分析 – NDX日足チャート

出典TradingViewStoneX

テクノロジー銘柄中心の指数であるナスダック100NDX)は、今週はテクニカルの観点から特に興味深い位置にある。上のチャートが示すように、同指数は現在、短期的に高値と安値が下がっており、年初からの上昇トレンドの継続が危ぶまれ、今後数週間でより値下がりが進行する可能性がある。

とはいえ、今のところ注目すべき重要な価格水準は15,250である。この水準は6月中旬のピークにあたり、その後価格が上抜けしていることから、長期的な上昇トレンドを維持するためのサポートとなる可能性がある。この水準が今週前半まで維持されれば、強気筋は結果のまちまちだったここまでの企業業績をあまり気にせず、7月高値の15,000ドル台後半に向けて値を戻す可能性がある。一方、15,250のゾーンを割り込むと、50日間移動平均にあたる15,000近辺、あるいは過去のレジスタンスラインがサポートに転じた14,675近辺など、次の水準に向けて下落が続く可能性がある。




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