ポンド／ドルは50日間移動平均線を試す可能性

ポンド／米ドル見通し

ポンド／米ドルは前週に今月の高値（1.2848ドル）を更新できなかった後、下降チャネルの内側で取引されているようだ。50日間移動平均（1.2542ドル）の正の傾斜に反応できなければ、6月安値（1.2369ドル）以降の上昇から逆戻りを続ける可能性がある。

ポンド／ドルは50日間移動平均線を試す可能性

ポンド／米ドルは、イングランド銀行（BoE）のアンドリュー・ベイリー総裁のタカ派的な発言にも動じることなく、今週の安値（1.2629）を更新している。金融政策委員会（MPC）がインフレとの戦いのために「必要な措置を取る」と表明しても、為替レートは今月いっぱいさらなる下落に直面する可能性がある。

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今後、個人消費支出（PCE）物価指数の最新値発表がポンド／米ドル価格を動かすかどうかはまだ不明だ。コアPCEは米連邦準備制度理事会（FRB）がインフレの指標として重視しており、5月は前月から引き続き前年比4.7％で変化なしと見込まれている。一方、総合値のほうは前月の4.4％から4.6％に上昇すると予想されている。
持続的なインフレの脅威は、米連邦公開市場委員会（FOMC）が金融引き締めを追求する圧力になることから、米ドルの強気な反応につながる可能性がある。また、ジェローム・パウエル総裁と仲間たちはフェデラル・ファンド金利の急激な上昇を見込んでおり、7月26日の次回の金利決定では利上げサイクルが再開される可能性もある。

出典：CME

それまでに米国で発表される経済データは金融政策の見通しに影響を与えるだろう。CMEのFedWatchツールによると、7月に25bpの利上げが実施される確率は依然として80％を超えており、インフレ率がいまだに中銀の目標である2％を上回っていることから、FRBは次回会合に向けてタカ派的なフォワードガイダンスを継続する可能性がある。
上記を踏まえ、米国のコアPCEの高止まりはFRBによる利上げ実施への観測を強めることから、ポンド／米ドル価格の足を引っ張る可能性がある。為替レートは50日間移動平均（1.2542）の正の傾斜に反応できなければ、6月の安値（1.2369）以来の上昇から逆戻りを続けるかもしれない。

英ポンド価格チャート―ポンド／米ドル日足

チャート作成：ストラテジスト、David Song。TradingViewのポンド／米ドル

• ポンド／米ドルは今月の高値（1.2848ドル）を更新できなかった後、下降チャネルの内側で取引されている。終値が1.2650ドル（38.2%のフィボナッチエクステンション）を下回った場合、50日間移動平均線（1.2542ドル）が視野に入る。
• この移動平均線を割り込む値動きとなった場合は1.2520ドル（23.6%のフィボナッチエクステンション）が視野に入ってくる。その次の注目エリアは1.2300ドル（50%のフィボナッチリトレースメント）～1.2390ドル（38.2%のフィボナッチエクステンション）付近となる。
• ただし、ポンド／米ドルが移動平均線の正の傾斜に反応した場合には上昇フラッグが形成される可能性がある。終値で1.2750ドル（50%のフィボナッチエクステンション）～1.2760ドル（61.8%のフィボナッチエクステンション）を超えれば、月間高値（1.2848ドル）まで再び上昇する可能性が出てくる。

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