英ポンド見通し:ポンド/米ドル
ポンド/米ドルは今月の安値(1.2111ドル)を更新してから反発が続いており、6日間の下落を阻止している。昨年の値動きのように、短期的な為替レートの反発に伴って相対力指数(RSI)が30を超える可能性がある。
英ポンド/米ドル予想:RSIは売られすぎの領域から抜け出そうとする動き
ポンド/米ドルでは、長期国債利回りの上昇が続いているにもかかわらず、前週から続いていた高値と安値の下落は止まった。また、米国で発表される経済データによってさらに反発が進む可能性がある。個人消費支出(PCE)価格指数がインフレ率の鈍化を示すと予想されているからだ。
米国経済カレンダー
米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレの指標として重視しているコアPCEは、前月の前年比+4.2%から8月には前年比+3.9%まで縮小すると予想されている。物価上昇圧力の緩和を示す証拠が出れば、FRBの現在の政策の維持につながるため、ドルにとっては逆風となる可能性がある。
とはいえ、PCEが予想を上回った場合には米連邦公開市場委員会(FOMC)に対して政策引き締めへの圧力になることから、ポンド/米ドルの上値は重くなる可能性がある。ジェローム・パウエル議長らは、インフレ率が目標の2%を上回ったままであることから、高金利環境を長期化させる意欲を引き続き示す可能性がある。
一方、ポンド/米ドルの見通しは、イングランド銀行(BOE)が5対4で英国金利の据え置きを決定したことから今後も大きな展開が続くと思われる。為替レートが50日間移動平均(1.2600ドル)の負の傾きに追随する場合、年内は弱気トレンドを示す可能性がある。
以上を踏まえた上で、ポンド/米ドルは先週から続いていた高値と安値の下落が止まったことから、10月に向けてより大きな反発を見せる可能性がある。昨年の値動きのように、為替レートの短期的な反発に伴って相対力指数(RSI)は30を超える動きを見せるかもしれない。
ポンド/米ドル日足価格チャート
チャート作成:ストラテジスト、David Song。TradingViewのポンド/米ドル
- ポンド/米ドルでは6日間の下落に歯止めがかかったことで、今年の初めからの三尊パターンの形成が進んでいるように見える。相対力指数(RSI)が売られ過ぎの領域からの上昇を試みる中、弱気の勢いはしばらく弱まっていく可能性がある。
- RSIが30を上回れば、ポンド/米ドルは1.2090ドル(78.6%のフィボナッチリトレースメント)より上で推移するかもしれない。1.2300ドル(50%のフィボナッチリトレースメント)~1.2390ドル(38.2%のフィボナッチエクステンション)付近を上抜けするか、終値でここを上回れば、1.2470ドル(50%のフィボナッチリトレースメント)~1.2520(23.6%フィボナッチエクステンション)付近が再び視野に入ってくる。
- とはいえ、ポンド/米ドルはRSIが30未満を維持する間は地固めに苦戦するかもしれない。1.2090ドル(78.6%のフィボナッチリトレースメント)を割り込むか、終値でここを下回れば、3月の安値(1.1803ドル)を含む1..1780(50%のフィボナッチエクステンション)~1.1840ドル(38.2%フィボナッチリトレースメント)エリアが視野に入ってくる。
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