ポンド／ドルはBoE金利決定後下落、RSIは売られすぎの領域に

英ポンド見通し：ポンド／米ドル

ポンド／米ドルは、米連邦準備制度理事会（FRB）の利上げ決定後、イングランド銀行（BOE）が予想に反して9月の銀行金利を5.25％に据え置いたため、下落幅を拡大している。

ポンド／ドルはBoE金利決定後下落、RSIは売られすぎの領域に

ポンド／米ドルは3月以来初めて200日間移動平均（1.2434ドル）を下回る水準で推移していることを頭に入れておこう。今月初旬に三尊パターンが展開し始め、5月の安値（1.2308ドル）を割り込んだことで、相対力指数（RSI）は2023年以来初めて売られ過ぎの領域に突入した。

ポンド／米ドルを取り巻く最近の動向は、50日間移動平均線（1.2681ドル）が負の傾斜に転じていることから、トレンドの変化を示唆している。BOEが利上げサイクルの終盤に差し掛かっているように見えることから、英ポンドは今月いっぱいは逆風に直面する可能性があるだろう。

金融政策委員会（MPC）内で5対4と意見が分かれたのは、「中銀のスタッフが2023年第3四半期のGDPは小幅な上昇にとどまると予想した」ためであり、また景気減速の兆しから「2023年下半期の基調成長も予想より弱まる可能性が高い」として、中銀内では利上げへの反対傾向が強まる可能性がある。

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結果として、今後発表が予定されている英国の経済データの値がポンド／米ドルを左右する可能性がある。8月の小売売上高は0.5％回復するとと予想されているが、9月の購買担当者景気指数（PMI）は製造業、サービス業ともに低下すると見込まれている。

BOEの投票では大多数が様子見に回ったことから、よいとも悪いとも言い切れないデータが出てもポンド／米ドルを下支えすることはできないだろう。aアンドリュー・ベイリー総裁は「労働市場のひっ迫が緩和している兆候があった」としているが、今年いっぱいにわたってフォワードガイダンスを調整し続けるかどうかはまだ未知数だ。

以上を踏まえた上で、ポンド／米ドルが5月の安値（1.2308）を更新したことから三尊パターンの形成が続く可能性がある。さらに現在は50日間移動平均線（1.2681）が負の傾斜を示していることから、弱気トレンドが継続する可能性もある。

ポンド／ドル日足チャート

チャート作成：ストラテジスト、David Song。TradingViewのポンド／米ドル

• ポンド／米ドルは、200日間移動平均線（1.2434ドル）を再度超える試みに失敗した後、今月の安値を更新した（1.2235ドル）。為替レートの弱含みにより、相対力指数（RSI）は今年初めて売られ過ぎの領域に入った。
• RSIが30を下回る動きを見せると、昨年の値動きのようにポンド／米ドルのさらなる下落が起きる可能性が高い。1.2300ドル（50%のフィボナッチリトレースメント）～1.2390 ドル（38.2%のフィボナッチエクステンション）付近を上抜けできなかった場合、ポンド／米ドルは1.2090ドル（78.6%のフィボナッチリトレースメント）へ向けて押し戻される可能性がある。
• 3月の安値（1.1803ドル）を含めた、1.1780ドル（50%のフィボナッチリトレースメント）～1.1840ドル（38.2%のフィボナッチリトレースメント）付近が次の注目エリアとなるが、1.2300ドル（50%のフィボナッチリトレースメント）～1.2390ドル（38.2%のフィボナッチリトレースメント）付近を下回るほどの勢いがなければ、RSIが売られ過ぎの領域から抜け出す可能性もある。
• 1.2470ドル（50％のフィボナッチリトレースメント）～1.2520ドル（23.6％のフィボナッチエクステンション）の領域が再び視野に入るには、200日間移動平均（1.2434ドル）を上抜ける必要があり、次の注目エリアは1.2630ドル（38.2％のフィボナッチエクステンション）～1.2650ドル（38.2％のフィボナッチエクステンション）付近となる。

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