【本日の東京為替見通し】年末控えドル円気迷い相場継続、市場けん引は豪ドルになるか
【前日の為替概況】ドル円、反落 米JOLTS市場予想を下回る
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅反落。終値は147.15円と前営業日NY終値(147.21円)と比べて6銭程度のドル安水準だった。NY勢の本格参入後は147.00円を挟んで神経質に上下した。10月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が873.3万件と市場予想の930.0万件を下回る結果となったことを受け、米長期金利の低下とともに一時146.57円まで下押ししたが、一巡後は下値を切り上げる展開に。米金利はその後も低下基調を維持したが、対欧州通貨などでドルの買い戻しが進んだ影響から、3時30分過ぎには147.39円まで本日高値を更新した。もっとも、昨日高値の147.45円が目先のレジスタンスとして意識されたこともあり、その後はやや伸び悩んだ。
ユーロドルは5日続落。終値は1.0797ドルと前営業日NY終値(1.0836ドル)と比べて0.0039ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)当局者から追加利上げに対して否定的な発言が相次ぎ、ECBの利下げ転換への思惑が意識された。米雇用指標の発表直後こそ1.0830ドル台まで買い戻しが入る場面があったものの、戻りの鈍さを確認すると欧州金利先安観を手掛かりに1.0778ドルまで売りに押された。
ユーロ円は7日続落。終値は158.87円と前営業日NY終値(159.52円)と比べて65銭程度のユーロ安水準だった。ユーロドルの下げにつれて上値を切り下げる展開となり、158.70円台まで弱含む場面も見られた。
【本日の東京為替見通し】年末控えドル円気迷い相場継続、市場けん引は豪ドルになるか
本日のドル円相場も方向感を示せず気迷い相場が続きそうだ。昨日のアジア・欧州時間は動意づけるようなニュースなどがないにもかかわらず、上下を繰り返す米金利の動向に追随する相場となった。しかし、NY勢参入後は米金利が低下基調を維持したのにもかかわらず、ドル買いが進むなど方向の一貫性がなくなってきている。
この要因としては、12月に入り年末相場になり、市場関係者がリスクを持つことを嫌気し、顧客の来た球を右から左に捌くことでファンダメンタルズを無視した流れになっていること。また、来週に主要中央銀行(日・米・欧州・英・スイス)の政策決定会合が開かれることで、結果公表まではトレンドがつかめないこともあげられる。このような環境下で、昨日とほぼ同水準に戻ってきているドル円相場は、よほどのサプライズとなるニュースが出ない限りは、昨日のレンジの中を行ったり来たりの相場展開にしかならないだろう。
ドル円が明確なトレンドを作りにくい中で、昨日市場をけん引したのが豪ドルだが、本日も同様に豪ドル相場の動きには要警戒となる。昨日は豪準備銀行(RBA)が市場予想通りに政策金利を据え置き、声明文もこれまでの流れを踏襲した。しかし、詳細を読むと「サービスのインフレが低下している」「生産性の伸びが回復すれば、賃金の伸びはこれ以上大きくは伸びない」と記し、タカ派路線を抑えた論調になった。豪金利は低下し、欧米同様に金融引き締め打ち止め感が出た動きになり、豪ドル安が進んでいる。この中で、本日は7-9月期の豪国内総生産(GDP)が発表されることで、市場予想(前期比0.4%/前年比1.8%)より悪化したネガティブサプライズに反応が敏感になりそうだ。昨日のトレンドを引き継ぎ更に豪ドル安・ドル高となった場合は、他通貨にも影響を及ぼすことになる。
【本日の重要指標】
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○09:30 ☆ 7-9月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比0.4%/前年比1.8%)
○16:00 ◎ 10月独製造業新規受注(予想:前月比0.2%/前年同月比▲3.9%)
○18:30 ◎ 11月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:46.3)
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比▲1.1%)
○19:30 ◎ 英中銀(BOE)、金融安定報告書を公表
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 11月ADP全米雇用報告(予想:13.0万人)
○22:30 ◇ 7-9月期カナダ労働生産性指数(予想:前期比▲0.6%)
○22:30 ◇ 10月カナダ貿易収支(予想:16.0億カナダドルの黒字)
○22:30 ◎ 10月米貿易収支(予想:642億ドルの赤字)
○22:30 ◇ 7-9月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比4.9%)
○24:00 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:5.00%で据え置き)
○24:00 ◇ 11月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
5日12:32 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「インフレ率を目標に戻すという断固とした決意に変わりはなく、そのために必要なことを行っていく」
「インフレ率を妥当な期間内に目標に戻すため追加引き締めが必要かは、引き続き経済データとリスク評価の進展次第」
「全体として、インフレ期待は引き続きインフレ目標と一致」
「基礎インフレは8月の予測時よりも高く、サービス分野が広範囲にわたって高い」
「労働市場の状況は緩和されているが、依然としてタイト」
「住宅価格は全国的に上昇を続けている」
「見通しには依然として大きな不確実性が残っている」
「海外でのサービス価格インフレは持続的であり、豪州でも同じことが起こり得る」
「中国経済の見通しや海外の紛争の影響に関しては、依然として高いレベルの不確実性が存在している」
5日15:11 シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事
「インフレ動向は朗報で、コア価格の低下は顕著」
「追加利上げの可能性は小さい」
「時期尚早な勝利宣言は避けるべき」
「インフレは正しい道筋だが、更なる進展が必要」
「長期的な不況は予想していない」
6日00:17 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「基礎的なシナリオでは追加利上げはない」
「短期的な金利引き下げは想定していない」
「決定はデータに依存する」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=目先の抵抗5日線こなしても上昇限定的か>
下影小陰線引け。146.57円まで下落が先行した。しかし昨日安値146.23円より押し目は浅め。147円台に戻してNYを引けている。
147.31円前後で低下中の5日移動平均線をこなしてより戻すことができるか見定める局面。ただ、低下傾向の一目均衡表・転換線が抵抗になりそうな状態は変わらず。上昇は限定されそうだ。
レジスタンス1 147.97(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 147.15
サポート1 146.57(12/5安値)
サポート2 146.23(12/4安値)
<ユーロドル=基準線を支えに反発できるか注視>
下影陰線引け。1.08ドル半ばで上昇中の21日移動平均線を追う展開に持ち込めなかった。1.0778ドルまで下値を探っている。ただ、一目均衡表・転換線1.0767ドルのサポートはまだ割り込んでいない。現状からすれば明日には1.0793ドルへ切り上がる公算の同線前後で下支えされて反発できるか注視したい。
レジスタンス1 1.0847(12/5高値)
前日終値 1.0797
サポート1 1.0725(11/9高値)
<ユーロ円=90日線付近の攻防>
下影陰線引け。159円付近でじり高の90日移動平均線を4日は割り込んだものの戻すことができた。しかし昨日はやや下値にある一目均衡表・雲の上限手前から折り返したものの90日線を回復しきれないでNYを引けている。本日159.04円前後で推移する90日線付近の攻防が続きそう。戻りを試し、159.67円前後で低下中の5日線をこなして上伸したいところ。ただ、現水準161.15円からの低下が予想される一目・転換線が今後の強い抵抗となってきそうだ。
レジスタンス1 159.67(5日移動平均線)
前日終値 158.87
サポート1 158.47(日足一目均衡表・雲の上限)
<豪ドル円=上昇傾向の基準線に沿って戻せるか注目>
大陰線引け。11月13日以来の水準96.27円まで急落する弱い動きだった。軟調継続が予想されるものの、大幅安の後を受けた相応の反発が、上昇傾向の一目均衡表・基準線97.11円の動きに沿って生じる可能性も視野に入れて臨みたい。だが、基準線の頭打ちが想定される付近に、低下が予想される一目・転換線97.41円が控えている。同線の抵抗をこなすのはむずかしそうだ。
レジスタンス1 97.08(11/22安値)
前日終値 96.42
サポート1 96.04(11/10安値)
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