米10年債3.653%まで上昇でドル高 対円132.90円、対ユーロ1.0710ドル

Article By: フィナンシャルアナリスト

【前日の為替概況】米10年債3.653%まで上昇でドル高 対円132.90円、対ユーロ1.0710ドル

6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は132.66円と前営業日NY終値(131.19円)と比べて147銭程度のドル高水準だった。前週末の1月米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退する中、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。「次期日銀総裁に雨宮副総裁が就任を打診された」との一部報道を受けて、大規模金融緩和政策の早期修正観測が後退したことも引き続き円売りを誘った。アジア時間早朝に付けた132.56円を上抜けて一時132.90円と16日以来1カ月ぶりの高値を更新した。

米長期金利の指標である米10年債利回りも一時3.6530%前後と16日以来の高水準を記録した。

ユーロドルは3日続落。終値は1.0726ドルと前営業日NY終値(1.0795ドル)と比べて0.0069ドル程度のユーロ安水準だった。米早期利上げ停止観測の後退で米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となった。3時前に一時1.0710ドルと19日以来の安値を付けた。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.7719日以来の高水準を付けた。

ユーロ円は続伸。終値は142.28円と前営業日NY終値(141.62円)と比べて66銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入り142.67円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値142.99円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。ユーロドルの下落につれた売りも相場の重し。

トルコリラ円は底堅い動き。ドル円の上昇につれた円売り・リラ買いが出て、1時過ぎに一時7.06円と112日以来の高値を付けた。なお、6日にトルコ南東部で発生した一連の地震ではトルコと隣国シリアの死者はあわせて3000人を超えたと伝わったものの、相場への影響は限られた。

 

【本日の東京為替見通し】ドル円はBOJFEDピボット先送り観測から続伸、RBA声明に要注目

本日の東京外国為替市場のドル円は、米国1月の雇用統計を受けて今年末のターミナルレート(利上げの最終到達点)が5.10%の可能性が高まっていることで堅調推移が予想される。

ドル円のテクニカル分析では、第3波動(102.59円~151.95円)の半値押し127.27円が116日の安値127.23円で示現して、「半値戻し(押し)は全値戻し(押し)」の相場格言通りに反発、ダブル・ボトム(127.23円・128.09円)を窓(131.20円~131.52円)を空けて完成させたことで、上昇トレンドが再開する可能性(第5波動?)が高まりつつある。

タカ派のボスティック米アトランタ連銀総裁は、「雇用統計の結果はピークレートの一段の上昇の可能性を高める。あと2回の利上げが基本シナリオ」と述べている。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、3月と5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.25%の追加利上げが続き、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が5.10%(※FF金利誘導目標5.00-25%)まで上昇し、12月のFOMCでのドット・プロット(金利予測分布図)で示されたように、今年末まで高金利が維持される可能性が高まりつつある。

米国1月の雇用統計の発表前までは、パウエルFRB議長のハト派的な「ディスインフレ」発言もあり、3月のFOMCでの0.25%の追加利上げの後に利上げ停止となり、下半期に向けて利下げの可能性、FEDピボット(FRBの利下げ転換)がメインシナリオになりつつあった。しかし、雇用統計のポジティブサプライズを受けて、パウエルFRB議長のタカ派的発言「あと2回程度の利上げ。年内の利下げの可能性は想定せず」がメインシナリオとなりつつある。今年のFF金利引き上げ見通しは以下の通りとなる。

・第821日:4.50-75% (+0.25%引き上げ)

・第9322日:4.75-5.00% (+0.25%引き上げと仮定)

・第1053日:5.00-25% (+0.25%引き上げと仮定)

・第11614日:5.00-25% (据え置きと仮定)

・第12726日:5.00-25% (据え置きと仮定)

・第13920日:5.00-25% (据え置きと仮定)

 

1230分に発表される豪準備銀行(RBA)の政策金利は、現行の3.10%から3.35%への第9次金利引き上げが予想されている。注目ポイントは、声明文でのターミナルレート(利上げの最終到達点)への言及となる。

RBAのターミナルレートの見通しは、市場筋は3.70%程度、豪4大銀行は3.35-3.85%程度で利上げ局面は終了し、年内にも利下げ局面へと移行すると見込んでいる。

オーストラリアの第4四半期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.8%となり、第3四半期の+7.3%を超えて、19906月以来の高い伸びを記録していた。豪中銀が注目しているコアインフレ率の指標である「CPIトリム平均」は前年比+6.9%と、2003年の統計開始以来の最高水準となった。また、12月のCPIは前年比+8.4%となり、11月の+7.3%10月の+6.9%から上昇傾向にあるため、声明文では「政策金利の見通しについては、あらかじめ決まった道筋はない。データ次第」と表明することで、市場に漂っている打ち止め感を払拭する可能性にも警戒しておきたい。

一方で、昨年11月に公表されたRBA四半期金融政策報告では、年末のCPI8%程度でピークを迎えて、その後は鈍化していくと予想されていた。年末のインフレ率の上昇要因は、クリスマス休暇時期の国内・海外旅行需要があった模様で、RBAの想定内だったことで、利上げ停止への言及の可能性も残されている。

 

【本日の重要指標】

※時刻表示は日本時間

<国内>

08:3012月家計調査(消費支出、予想:前年比▲0.2%)

08:3012月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.5%)

14:0012月景気動向指数速報値(予想:先行97.1/一致98.9

 

<海外>

09:011月英小売連合(BRC)小売売上高調査

09:3012月豪貿易収支(予想:125.00億豪ドルの黒字)

12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:3.35%に引き上げ)

15:451月スイス失業率(季節調整前、予想:2.2%)

16:0012月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.7%/前年同月比▲1.6%)

16:4512月仏貿易収支(予想:120.00億ユーロの赤字)

16:4512月仏経常収支

17:00 ◎ カジミール・スロバキア中銀総裁、講演

17:10 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演

18:00 ◎ ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演

19:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演

19:15 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演

22:3012月カナダ貿易収支(予想:5.0億カナダドルの赤字)

22:3012月米貿易収支(予想:685億ドルの赤字)

24:00 ◎ カンリフBOE副総裁、講演

802:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演

802:00 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演

802:30 ◎ マックレムカナダ銀行(BOC、中央銀行)総裁、講演

803:00 ◎ 米財務省、3年債入札

804:00 ◎ バーFRB副議長(金融監督担当)、講演

805:0012月米消費者信用残高(予想:250.0億ドル)

○バイデン米大統領、一般教書演説

 

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

6日07:04 鈴木財務相
「日銀総裁巡る報道について何も聞いていない」

6日11:37 磯崎官房副長官
「(雨宮氏に日銀総裁打診との一部報道)そのような事実はない」

6日12:12 黒田日銀総裁
「物価目標実現に向け、金融緩和の副作用にも配慮しながら適切な政策運営に努める」
「量的・質的金融緩和は外部から要請されたものではない」
「当時も今も金融政策の効果は2年程度のタイムラグが常識」

6日13:24 梶山自民幹事長代行
「日銀総裁人事の報道承知しているが、私自身は何も聞いていない」

6日16:24 中国商務省
「中国と豪州は重要な経済・貿易パートナー」
「二国間の経済・貿易協力は相互に有益」
「中国と豪州の経済・貿易関係を軌道に乗せるための重要なステップとなる会談を本日行った」
「豪州との経済・貿易交流メカニズムの再開に意欲」

6日17:25 バスレ・スロベニア中銀総裁
「インフレ鈍化でもECBの利上げは終了からは程遠い」

6日17:50 マン英MPC(金融政策委員会)委員
「金利の次のステップは、まだ引き上げる可能性が高い」
「インフレ見通しには、重大な上方リスクがあると見ている」

6日17:52 茂木自民党幹事長
「(日銀総裁最終調整との報道に対し)そのような事実はない」
「日銀人事はこれからが最終調整の局面」

6日22:13 イエレン米財務長官
「インフレは依然として高すぎるが、低下しつつある」
「記録的な低い失業率でリセッションはない」

 

7日02:24 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「インフレを目標に戻すために、さらなる手段を講じる用意がある」
「2%のインフレ目標を変更するのは良い考えではない」

 

705:10米ホワイトハウス報道官(一般教書演説ファクトシート公表)

「バイデン大統領は企業の自社株買いへの追加課税を促す」

「バイデン大統領はビリオネアへの最低課税を提案へ」

 

7 05:34 ボスティック米アトランタ連銀総裁

「雇用統計の結果はピークレートの一段の上昇の可能性を高める」

「FRBの主要な仕事はインフレ制御」

「あと2回の利上げが基本シナリオ」

※時間は日本時間

 

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=2/6安値を支持に押し目買いスタンス>

陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を上回ったものの、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開。しかし、2手連続陽線で上昇して「窓」を空け、転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は、6日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2      134.771/6高値)

レジスタンス1      133.36(日足一目均衡表・雲の下限)

前日終値                        132.66

サポート1           131.522/6安値

サポート2           131.00日足一目均衡表・基準線

 

<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。しかし、3手連続陰線で下落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1      1.0872(日足一目均衡表・転換線)

前日終値                        1.0726

サポート1           1.06341/9安値)

 

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開。2手連続陽線で上昇して、転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い

レジスタンス1      142.992/6高値)

前日終値                        142.28

サポート1                       141.47(日足一目均衡表・転換線)

 

<豪ドル円=1/26高値を抵抗に戻り売りスタンス>

陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開。しかし、3手連続陰線で下落して転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。

本日は、126日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1      92.82(1/26高値

前日終値                        91.30

サポート1                       90.12(日足一目均衡表・基準線



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