強気筋が米ドル価格を押し上げる中、FRBは金利予想と格闘

Article By: シニアストラテジスト

米ドル、FRBの話題

  • 米ドル相場は今年の前半にわたって概ね堅調に推移した後、引き続き強さを見せている。
  • 下半期に入ってから強気筋が目を覚ました。欧州と英国で利上げが終了する可能性がある中、米国はタカ派的な金融政策のもとでも依然として経済成長が続いている国のひとつだということが明らかになっている。米ドルでは現在の動きが第4四半期まで続く可能性がある。市場では現在、今年中にあと1回の利上げが行われる確率を約40%と見込まれており、来年からは利下げが始まると予想されている。

 

米ドルの強気基調は続いており、FOMC9月の金利決定もこのトレンドを弱めるには至らなかったようだ。FRBは依然として2024年には利下げを実施することを見込んでいるが、過去の予想では4回だった利下げ回数の予想を2回に減らした。米国の経済データが好調を維持していることから、米国経済とその他の経済との乖離が拡大している。

欧州と英国での最近の金利決定は、各国の中央銀行が今回で利上げを終了する可能性があることを示している。
いずれの通貨もともに弱含みとなり、これがドル指数(DXY)の強さに繋がっている。DXY計算57.6%をユーロが、11.9%を英ポンドが占めているためだ。

現時点で米ドルは、今年3月につけた2023年の高値に近づいている。DXY相場は今年の前半にこの高値を付けた直後、米国の地方銀行が危機の兆候を見せ始めたことから売り展開に転じた。これをきっかけに、銀行セクターがこれ以上ダメージを受けるリスクを冒すことはないだろうという思惑から、市場はFOMCの金利決定の予想を下方修正した。しかしそこから6ヵ月を経て、米国の経済データは強さを維持しており、欧州と英国の経済データは減速している。DXY105のハンドルを上回り、今年の第4四半期にはブレイクアウトする可能性が出てきた。

 

米ドル - 米ドル指数(DXY)日足チャート(参考用、FOREX.comプラットフォームでは利用できません

チャート作成:James StanleyTradingviewのデータによる

 

米ドルのより広汎な見通し

現時点での大きな疑問は、最近の米ドル高の復活によって、2021年と2022年の最初の9ヵ月間を通じて力強く続いた強気トレンドが戻ってくるかどうかだ。このトレンドは、FRBがもはや見過ごせないところまで米国のインフレ率が上昇したことから、金利の見通しの影響を大きく受けていた。
事態が変化し始めたのは2022年の第4四半期が始まる前後で、この動きは2種類の重要な事実に支えられていた。 米国のインフレ率が鈍化し始めたことで、FRBによる将来の利上げ観測が後退したのだ。ただしもうひとつの重要な要素は他国の中央銀行の動き、つまり欧州中央銀行など他の中央銀行がインフレ懸念を和らげるため、より積極的な利上げを始めたことだった。このため、昨年第4四半期を通じて米ドルの強気トレンドは反転し、ドル安(ユーロ/米ドルの値上がり傾向)は今年に入ってからも続いた。

下の米ドル週足チャートから、2023年前半の取引を通じた価格収束が弱気バイアスの形を取っていることが分かる。これは下降ウェッジと呼ばれるパターンを形成しており、しばしば強気反転を狙ってアプローチされる。

ここ6週間、米ドルの強気筋が価格を押し上げ続けているのがそれだ。

米ドル - 米ドル指数(DXY)週足チャート(参考用、FOREX.comプラットフォームでは利用できません

チャート作成:James StanleyTradingviewのデータによる




  1. 口座開設ページでご自身に最適なFOREX.com口座を選択
  2. 必要書類のアップロードとともに口座開設のお申込み
  3. 取引プラットフォームにログインしてお取引開始


本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。


本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。


金融商品取引法に基づく表示

【概要】
商号等:StoneX証券株式会社
金融商品取引業:関東財務局長(金商)第291号
加入協会等:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会 会員番号1539

【苦情相談窓口】 StoneX証券株式会社 クライアントサービス 電話:0120-288-168 / 03-6868-2123 (受付 平日 9:00-17:00)

【指定紛争解決機関】
証券・金融商品あっせん相談センター 電話:0120-64-5005(受付 平日 9:00-17:00 )

  • 当社の外国為替証拠金取引(FX取引)、CFD取引及びオプション取引(以下、「すべての取引」といいます。)は、元本および収益が保証されているものではありません。FX取引及びCFD取引はレバレッジを利用して取引代金に比較して少額の証拠金で取引を行うために、相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、思わぬ損失が発生する場合があります。取引に必要な証拠金は、FX取引の場合、個人は売買代金の4%、法人の場合は金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額(=法定レバレッジで計算した必要証拠金額)以上の証拠金額が必要となります。株価指数CFD取引の場合、必要な証拠金は、個人は10%です。法人は0.5%からですが、取引量に応じて証拠金率が増加する方式を採用しています。但し、FX取引及びCFD取引において、リスク管理のため、特定の通貨ペア又は銘柄には上記より高い証拠金率(=低いレバレッジ)が適用されています。オプション取引の場合、予測と反対方向に外国為替市場が動き原資産価格がノックアウトレベルに達すると価値はゼロとなります。想定した前提と異なる場合や金利調整額、円転レートの変動により、口座残高がマイナスとなるリスクがあります。
  • すべての取引は、相場の急変時や週初の取引開始時等に、ロスカット、注文形態、価格配信の停止・再開により発注レートと約定レートが大きく乖離したり、停止時と再開時の配信価格にギャップが生じる等の理由で預け入れた資金以上の損失が生じる可能性があります。
  • すべての取引の前に「店頭デリバティブ取引に係るご注意」「お取引前の重要説明事項」「顧客取引契約書」等の規程、約款、マニュアルを必ず熟読し、取引の内容、危険性等をご理解いただいた上で、ご自身の判断と責任にてお取引ください。 各書類につきましては当社ウェブサイトのダウンロードセンターをご確認ください。
  • 通常口座のFX取引及びCFD取引の取引手数料は無料ですが、FX取引のプロトレード口座では、取引数量100,000米ドルあたり片道8米ドル(消費税込み)の手数料がかかります。また、当社が提示するレートには買値と売値に差(スプレッド)があります。オプション取引の場合、スプレッドがあり、取引時に最大損失額がオプション料として生じます。主要国政策金利の極端な変更や雇用統計など重要経済指標の発表前後、為替市場の流動性が著しく低下した場合(年末年始・クリスマス時期など)や相場急変時(震災などの天変地異や戦争など)においては、スプレッドが拡大することがあります。
  • すべての取引において、市場環境の急激な変化、パソコンの不具合、ネットワークの不具合、システム障害等、予期せぬ事象の発生などにより、取引ができなくなることおよび損失が生じることがあります。
© 2024 FOREX.com StoneX Securities Co., Ltd.

※本ウェブサイトの内容の無断引用・転載・配布を禁じます。