アメリカが祝日のため、今日はドルの動向についてはあまり話すことがない。代わりにアジア時間で動きが見られそうな通貨を取り上げよう。日本円だ。
今年は長期間にわたって主要通貨の中で最弱となっていたが、株式、ゴールド、その他のリスク資産とともに、最近は対ドルで強さを取り戻している。水曜日に公表された議事録ではFOMC姿勢の軟化がうかがえる内容だったこと、さらに米国の企業活動データが予想よりも力強さを欠いていることから、FRBは今後利上げのペースを落とし、2023年には利上げを止めるだろうという見方がさらに強まっている。
米ドル/円が急落したことで、ユーロ/円を含めた対日本円の他の通貨ペアも下がり始めているが、その下げ幅ははるかに小さいものだ。これは日本銀行の非常に緩やかな金融政策に変化がない(および最近の日本政府による為替介入の)ためで、つまりドル円の急落はドルの弱さが円の強さを上回ったことによる。
ユーロ/円では、たしかに円に比べてユーロの方が金利が良い。ECBは積極的な利上げによって10%のインフレ率を引き下げようとしていることから、ユーロ圏と日本の金融政策の差は今後時間の経過とともに広がっていく可能性が高い。こうした状況から、長期的にはユーロ/円の底は堅いと思われる。
しかし特に米ドル/円が下がっていることから、短期的にはユーロ/円やその他の日本円の通貨ペアでもある程度の値下がりが見込まれる。金利差はすでにほぼ価格に織り込まれていること、さらにユーロ圏の経済の失速でECBが予想よりも早く利上げのサイクルを終わらせるリスクがあることから、安全通貨と言われる円に対してユーロの魅力は低下している。
ユーロ/日本円は水曜の日足チャートで、最近の上げ幅を帳消しにする値下がりを見せており、今日も引き続き売り傾向が続いていた。その後、サポートラインとトライアングルパターンの上昇トレンドラインが重なる143.8円付近でひと段落している。
上値の限界は下降トレンドライン兼レジスタンスラインとなる146.00円あたり、より短期的なレジスタンスラインは144.65~145.00円の範囲と見られる。
このため保守的な投機をするならトライアングルパターンからのブレイクアウトを待ち、その時の値動きに沿ってトレードをするとよいだろう。
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