米ドルの値動きの背景:ユーロ/米ドル、米ドル/カナダドル、米ドル/円

Article By シニアストラテジスト

米ドル、ユーロ米ドル、米ドル/カナダドル、米ドル円の話題

  • 明日は米国の消費者物価指数(CPI)が発表されるが、米ドルは先週木曜日にレジスタンスエリアに入って以来、売りが殺到している。
  • ユーロ米ドルは米ドル安を背景に上昇し、1.1000ドルのレジスタンスライン再度試しに向かっている。この展開は米ドル円の強気テーマにも疑問を投げかけるものだ米国CPI発表の1時間半後にカナダ中銀の金利決定が予定されていることから、明日はカナダドル/米ドルの動向が注目される。
  • この記事には本日開催されたWebセミナーのアーカイブが含まます。このセミナー米国東部時間で毎週火曜日午後1時から開催されていますので、ぜひご参加ください。登録はこちらから。

 

ドル円は先週木曜日に合流したレジスタンスエリアにぶつかって打ちのめされている。103.45ドルを試す流れでこの価格水準はまた米ドルの強気がおそらくすぐに忘れることはないであろう下降トレンドラインとも一致しているここ2か月で米ドル指数(DXY)が反転を見せるのは2回目だ。

木曜日のレジスタンスラインで価格変曲は、金曜日の非農業部門雇用者数(NFP)発表まで続き米ドルの強力な売り展開に拍車をかけた。今週に入ってからこれまでのところ米ドルはさらに弱くなっており、ユーロ米ドルは4月と5月に堅いレジスタンスラインとなった1.1000ドル付近を再び試している。

明日は消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、ユーロ米ドルの強気ブレイクアウトを達成して今年の高値を更新する気概を見せられるかどうかが大きな焦点だ。ここにはおそらく米ドルの弱気シナリオも含まれる

現時点でドルは主要なサポートレベルである102を割り込んでいるが、ここは6取引で安値維持に貢献した水準だ為替レート101.53付近にあたる次のサポートラインに急接近しているが、実際には101レベルが突出しており、その下に100.87控えている101付近4の高値圏での安値を維持するのに役立った水準で、最終的にトレンドラインを再度試すのにつながる強気相場の可能性が維持された。その下の100.872月と42回到達したことのある価格で二重底の形成を示

このサポートラインを割り込めば二重底の形成は無効となり、さらにトレンドラインの維持に基づいた弱気の三角持ち合いの形成にもつながる

しかしこれまでの米ドルさを考えると、大きな問題はその継続である。

 

米ドル - DXY 週足チャート (参照用、FOREX.comプラットフォームでは利用できません)

チャート作成:James Stanley、データ提供:Tradingview

 

ユーロ米ドル

米ドルの弱気テーマの継続可能性についてはユーロ米ドルにも関連する問題がある。強気今年まだ達成できていないこと、つまり1.1100ドルの上抜けが実現できるかどうかが焦点だ。

この価格水準は特に45月に何度も試されてきたWebセミナーではこの件について1.10001.1100ドル領域で引き続き注目すべき重要なレベルに焦点を当てて取り上げた

しかし現時点で、日足チャート上では1.1000ドル付近で同事線形成されている。過去に強気が乱高下にぶつかったエリアであるため、大きな問題は1.1000ドルより上で買い手が現れ、値動きのサポート続けられるかどうか

明日のCPI明らかに絶好のチャンスだが、おそらくより興味深いのは、強気派がブレイクアウトを達成したもののその動きを維持できなかった場合に何が起こるかだろう。この場合反転シナリオの可能性があり、先述した米ドルの問題とある程度連動する可能性がある

 

EUR/USD 日足チャート

チャート作成:James StanleyTradingviewユーロ/米ドル

 

米ドル/カナダドル

米ドル/カナダドルは明日忙しい展開になるかもしれない米国東部時間午前830分に消費者物価指数(CPIが発表され、続いてカナダ銀行金利決定(日本時間午前10時)があるためだ。

カナダ銀行は先月利上げを実施し衝撃を呼び、米ドル/カナダドルが過去8か月間続いたレンジ相場を脱するのにつながった。この利上げは、さらに1週間後のFRBECBの利上げ決定が相まって、米ドル/カナダドルの最安値更新につながった。しかし価格が1.3100ドル近辺に近づくにつれ売りが鈍り始めた。その結果下降ウェッジが形成され、直後に強気の反転が始まった。

このテーマに関しては、先週の金曜日までは値上がりの傾向が強いと見られたが、この日NFPとカナダ雇用統計が発表され、日足チャート弱気なアウトサイドバーとなった。今週、これまでのところこのテーマは売りに押され続けているが、価格はいくつかの重要なサポートより高いことから、強気相場の可能性も未だに維持されている

このサポートライン1.3200ドル付近で、値上がりの可能性を維持するには、値動きに影響を与える明日の2つのイベントの両方を通じて強気筋が価格を防衛する必要がある防衛できない場合は最近の高値圏での安値の更新が止まり、強気相場のシナリオに疑問符がつくだろう。

 

米ドル/加ドル 4時間足チャート

チャート作成:ジェームズ・スタンレー、TradingviewUSD/CAD

 

米ドル円:反転からサポートつけ

米ドル円は先週、145の主要な心理的水準にぶつかったが、これは昨年の動きを約1ヶ月間停滞させたのと同じ場所だった。しかし、昨年の第4四半期には強気トレンドが逆転することはなか、価格はこのまま伸び続けて最終的に150円を試した(そして失敗し)。

直近145を再び試す流れは、先週、節目の価格を下回った後で揺らぎ始めたここから高値の下落の可能性が出始め、最終的には安値も下落し始めた。

現在、価格はすでに次の重要な心理レベルである140円近くまで落ち込んでいる。サポートラインは140.30円のすぐ上にあるがこれは今年1月の安値につながったのと同じ大きな動きの23.6%フィボナッチリトレースメントにあたる。Webセミナーでも時間を割いて語ったように、米ドル円の強気相場はまだ終わっていないかもしれないが、このペアの最近の弱気トレンドの流れを変えるには、米ドル指数に何らかの強気の反応が必要だろう。

フィボナッチ数列は、以下の週足チャートに最もよく現れており、23.6%にあたる140.30円の水準が際立っている

 

米ドル/ 週足チャート

 

チャートはTradingviewUSD/JPYJames Stanley氏作成




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