ドル分析:ユーロ/米ドル、ポンド/米ドル、豪ドル/米ドル見通し – 金曜日のFX

Article By マーケットアナリスト
  • ドル分析:米ドルは売られ過ぎの水準から反発
  • ユーロ米ドルの見通しユーロは1.15ドルに向かうか?
  • ポンド米ドルの見通しインフレ率発表に注目集まる
  • 豪ドル米ドルの見通し中国GDPオーストラリアの雇用統計に注目

「金曜日のFX」にようこそ。この週刊レポートでは、テクニカル分析にも随所で触れつつ、主にマクロ的な視点から特定通貨のテーマについて解説していく。今週のレポートでは米ドルとのペアをいくつか取り上げ、来週の主なイベントを展

  • ドル分析:米ドルは売られ過ぎの水準から反発
  • ユーロ米ドルの見通しユーロは1.15ドルに向かうか?
  • ポンド米ドルの見通しインフレ率発表に注目集まる
  • 豪ドル米ドルの見通し中国GDPオーストラリアの雇用統計に注目

「金曜日のFX」にようこそ。この週刊レポートでは、テクニカル分析にも随所で触れつつ、主にマクロ的な視点から特定通貨のテーマについて解説していく。今週のレポートでは米ドルとのペアをいくつか取り上げ、来週の主なイベントを展望する。

 

ドル分析:米ドルは売られ過ぎの水準から反発

米ドルは低調な1週間を過ごし、主要通貨ペア、株価指数、金、原油価格の上昇につながった。消費者物価指数(CPI)と購買力指数(PPI)がともに予想を下回ったことから、連邦準備制度理事会(FRB)がインフレとの戦いに勝利しつつあるというストーリーがさらに真実味を帯びてきたのだこれにより米ドル指数100を割り込んだ。金曜日の朝に米ドルは多少持ち直したが、それは単に新鮮な材料がなかったためで、トレーダー利益確定を図ったのだ。午後にはUoM消費者心理指数とインフレ期待指数が発表され、こちらは予想を上回る結果となった。今後1年のインフレ期待は予想3.1%に対し3.4%となり、インフレがしつこく続く可能性を示唆するものだったのため米ドル円は反発し、ドルインデックスは上昇した。

ドルは明らかに売られ過ぎだ。例えばRSIが日足で「売られ過ぎ」の基準値である30を割り込みつつあることからもそれが見て取れる。

ドルが安値を更新する中、最も抵抗の少ない道が下方向であることは明らかで、過去のサポートレベルが今後レジスタンスレベルに転じる可能性もある。ドルがプラスに転じるにはまず高値が上がる必要がある。その先のことは高値が上がり始めてから考えることにしよう。目下は100.00近辺での値動きがどうなるかに注目したい100.82付近がレジスタンスとなるが、これは2月につけた安値にあたる。その上では102.00が次の大きなレジスタンスとなるだろう。

 

ポンド米ドルの見通し:インフレ率発表に注目集まる

英ポンド米ドルはでに米ドル安に応じてサポートラインを見出しており英国の5月の経済縮小率が0.3%というエコノミストの予想に反して0.1%にとどまったことから、この力強いデータを背景に1.31を超えるまで上昇した。実質賃金の改善やエネルギー価格の上昇幅縮小によって、英国経済は今後数カ月緩やかに成長する可能性がある。住宅ローン金利上昇すれば成長の足を引っ張り、ポンド米ドルの長期的な見通しに影響を与え、クロスポンドの他の通貨ペアの重しとなる可能性ある。今のところ、ポンド/米ドルとその他のクロスポンドペアで最も抵抗の少ない道は上方向だ

今週発表された賃金上昇率は予想を上回り、ポンドを扱うトレーダーの次の関心は来週水曜日のインフレデータに移る。イングランド銀行は83日の次回会合でさらなる利上げに踏み切る可能性が高いが、その上げ幅は今度のインフレデータによって決まると思われる。詳細は以下を参照。

 

ユーロ米ドルの見通し:ユーロは1.15ドルに向かうか?

FRBの利上げが次で最後になるかもしれず、一方でECBの利上げは最低でもあと2回実施されるだろうという観測が、ユーロ米ドルの上昇を後押ししている。  米国とユーロ圏の金利差が縮小することで、ユーロ米ドル価格は下落局面でも下支えされるはずだ1.15ドルを目指す動きが出てくる可能性もある

ユーロ米ドルの週末にかけての見通しは引き続きポジティブ。ここ数日見られた爆発的なブレイクアウトは、特に長期的なトレンドも強気傾向にある中で(200日間移動平均の傾斜ひとつとっても明らかだ)、ユーロ/米ドルの強気がまだしばらくの間値動きの主導権を握る可能性が高いことを示している

興味深いことに、フィボナッチベースの値動き、つまりハーモニックバタフライが形成されているチャート内の注釈を参照してほしい。価格ポイントXABCはすでに確立されており、重要な問題はポイントDがどこで発生するかだ。ここは通常、レジスタンスラインが見つかり下落に転じる地点である。フィボナッチエクステンションの水準が目安になるだろうBC足の127.2%エクステンションは1.1220ドルあたる。ただしCD足の動きがAB波に比べ急だったことからCDAB足より大きくなると予想されるしたがって値上がりは161.8%のフィボナッチエクステンションにあたる1.1380ドルまで続き、この水準が少なくともユーロ米ドル一時的な頂点になると考えられる

一方、2021年の高値からの下落に対する長期的な61.8%フィボナッチリトレースメント水準は1.1275ドルとなる。

サポートレベルについてだが、短期的なユーロ米ドルの見通しに関しては、水曜日の高値である1.1140ドルの維持が非常に重要。この水準を割り込んだ場合、4高値である1.1095ドルが次のサポートとなる可能性がある。ここを守れなければ、1.10ドル付近の重要なサポートが再び視野に入ることになるだろう

 

 

豪ドル米ドルの見通し:中国GDPオーストラリアの雇用統計に注目

コモディティドルにとって来週最も重要なイベントは、おそらく月曜に発表される中国の経済データだろう世界第2位の経済大国である中国は最近あまり好調とはいえない。そのため中国の株式市場と人民元はそれぞれの分野で最も低迷しており、これが豪ドルとニュージーランドドルの選好の回復にもつながっている。いずれの通貨も、来週の中国のデータの発表に伴いサプライズ方向に動くはずだ。さらに豪ドル米ドルの見通しは、木曜日に発表が予定されているオーストラリアの雇用統計にも影響される可能性がある。

小売売上高を除けば、来週の経済カレンダーは米国からの重要なデータ発表の予定はない。このため、低調な1週間を経た後の米ドルはわずかに回復を見せると思われる。ただし続く翌週にFRBの動きが焦点となるまで、市場心理の変化につながる企業決算が多数控えている

豪ドル米ドルの主要サポートレベルは現在0.6800ドル付近で、ここはかつて非常に重要な水準だった。今週のブレイクアウトを踏まえると強気筋であればこの水準を割り込んで価格が戻るのは避けたいところだ

 

来週の動き

中国GDP

717(月曜日)

03:00 BST

世界第2位の経済大国である中国は最近あまり好調とは言えず、そのため中国の株式市場と人民元それぞれの市場分野で最も低迷している。第1四半期の生産高は2022年の同時期に比べて4.5%増と予想を上回っていたが、続く2四半期の実際の状況が明らかになる。また、小売売上高と鉱工業生産の最新値も同時に発表される。

 

米小売売上高

718(火曜日)

13:30 BST

先週はCPIPPIともにインフレ率が予想以上に鈍化し、FRB7月の利上げを最後に利上げを一旦停止する可能性が高まった。もし小売売上高が強めの数字となれば、物価上昇の鈍化と消費の回復というゴルディロックスシナリオを補強することになり、ウォール街の強気筋は喜ぶだろうただし予想より弱い数字が出れば、景気後退懸念が生じ、投資家の自信が弱まる可能性がある。

 

英国CPI

719(水曜日)

07:00 BST

 

今週発表された賃金上昇率が予想を上回った後、ポンドを扱うトレーダーの次の関心は来週水曜日のインフレデータに移る。イングランド銀行は83日の次回会合でさらなる利上げに踏み切る可能性が高いが、その上げ幅が25bpになる50bpになるが問題だここで最新のインフレ指標が大きな影響を与えるだろう

  

本記事の全チャートの出典TradingView.com

望する。

 

ドル分析:米ドルは売られ過ぎの水準から反発

米ドルは低調な1週間を過ごし、主要通貨ペア、株価指数、金、原油価格の上昇につながった。消費者物価指数(CPI)と購買力指数(PPI)がともに予想を下回ったことから、連邦準備制度理事会(FRB)がインフレとの戦いに勝利しつつあるというストーリーがさらに真実味を帯びてきたのだこれにより米ドル指数100を割り込んだ。金曜日の朝に米ドルは多少持ち直したが、それは単に新鮮な材料がなかったためで、トレーダー利益確定を図ったのだ。午後にはUoM消費者心理指数とインフレ期待指数が発表され、こちらは予想を上回る結果となった。今後1年のインフレ期待は予想3.1%に対し3.4%となり、インフレがしつこく続く可能性を示唆するものだったのため米ドル円は反発し、ドルインデックスは上昇した。

ドルは明らかに売られ過ぎだ。例えばRSIが日足で「売られ過ぎ」の基準値である30を割り込みつつあることからもそれが見て取れる。

ドルが安値を更新する中、最も抵抗の少ない道が下方向であることは明らかで、過去のサポートレベルが今後レジスタンスレベルに転じる可能性もある。ドルがプラスに転じるにはまず高値が上がる必要がある。その先のことは高値が上がり始めてから考えることにしよう。目下は100.00近辺での値動きがどうなるかに注目したい100.82付近がレジスタンスとなるが、これは2月につけた安値にあたる。その上では102.00が次の大きなレジスタンスとなるだろう。

 

ポンド米ドルの見通し:インフレ率発表に注目集まる

 

英ポンド米ドルはでに米ドル安に応じてサポートラインを見出しており英国の5月の経済縮小率が0.3%というエコノミストの予想に反して0.1%にとどまったことから、この力強いデータを背景に1.31を超えるまで上昇した。実質賃金の改善やエネルギー価格の上昇幅縮小によって、英国経済は今後数カ月緩やかに成長する可能性がある。住宅ローン金利上昇すれば成長の足を引っ張り、ポンド米ドルの長期的な見通しに影響を与え、クロスポンドの他の通貨ペアの重しとなる可能性ある。今のところ、ポンド/米ドルとその他のクロスポンドペアで最も抵抗の少ない道は上方向だ

 

今週発表された賃金上昇率は予想を上回り、ポンドを扱うトレーダーの次の関心は来週水曜日のインフレデータに移る。イングランド銀行は83日の次回会合でさらなる利上げに踏み切る可能性が高いが、その上げ幅は今度のインフレデータによって決まると思われる。詳細は以下を参照。

 

ユーロ米ドルの見通し:ユーロは1.15ドルに向かうか?

 

FRBの利上げが次で最後になるかもしれず、一方でECBの利上げは最低でもあと2回実施されるだろうという観測が、ユーロ米ドルの上昇を後押ししている。  米国とユーロ圏の金利差が縮小することで、ユーロ米ドル価格は下落局面でも下支えされるはずだ1.15ドルを目指す動きが出てくる可能性もある

ユーロ米ドルの週末にかけての見通しは引き続きポジティブ。ここ数日見られた爆発的なブレイクアウトは、特に長期的なトレンドも強気傾向にある中で(200日間移動平均の傾斜ひとつとっても明らかだ)、ユーロ/米ドルの強気がまだしばらくの間値動きの主導権を握る可能性が高いことを示している

興味深いことに、フィボナッチベースの値動き、つまりハーモニックバタフライが形成されているチャート内の注釈を参照してほしい。価格ポイントXABCはすでに確立されており、重要な問題はポイントDがどこで発生するかだ。ここは通常、レジスタンスラインが見つかり下落に転じる地点である。フィボナッチエクステンションの水準が目安になるだろうBC足の127.2%エクステンションは1.1220ドルあたる。ただしCD足の動きがAB波に比べ急だったことからCDAB足より大きくなると予想されるしたがって値上がりは161.8%のフィボナッチエクステンションにあたる1.1380ドルまで続き、この水準が少なくともユーロ米ドル一時的な頂点になると考えられる

一方、2021年の高値からの下落に対する長期的な61.8%フィボナッチリトレースメント水準は1.1275ドルとなる。

サポートレベルについてだが、短期的なユーロ米ドルの見通しに関しては、水曜日の高値である1.1140ドルの維持が非常に重要。この水準を割り込んだ場合、4高値である1.1095ドルが次のサポートとなる可能性がある。ここを守れなければ、1.10ドル付近の重要なサポートが再び視野に入ることになるだろう

 

 

豪ドル米ドルの見通し:中国GDPオーストラリアの雇用統計に注目

 

コモディティドルにとって来週最も重要なイベントは、おそらく月曜に発表される中国の経済データだろう世界第2位の経済大国である中国は最近あまり好調とはいえない。そのため中国の株式市場と人民元はそれぞれの分野で最も低迷しており、これが豪ドルとニュージーランドドルの選好の回復にもつながっている。いずれの通貨も、来週の中国のデータの発表に伴いサプライズ方向に動くはずだ。さらに豪ドル米ドルの見通しは、木曜日に発表が予定されているオーストラリアの雇用統計にも影響される可能性がある。

小売売上高を除けば、来週の経済カレンダーは米国からの重要なデータ発表の予定はない。このため、低調な1週間を経た後の米ドルはわずかに回復を見せると思われる。ただし続く翌週にFRBの動きが焦点となるまで、市場心理の変化につながる企業決算が多数控えている

豪ドル米ドルの主要サポートレベルは現在0.6800ドル付近で、ここはかつて非常に重要な水準だった。今週のブレイクアウトを踏まえると強気筋であればこの水準を割り込んで価格が戻るのは避けたいところだ

 

来週の動き

 

中国GDP

717(月曜日)

03:00 BST

世界第2位の経済大国である中国は最近あまり好調とは言えず、そのため中国の株式市場と人民元それぞれの市場分野で最も低迷している。第1四半期の生産高は2022年の同時期に比べて4.5%増と予想を上回っていたが、続く2四半期の実際の状況が明らかになる。また、小売売上高と鉱工業生産の最新値も同時に発表される。

 

米小売売上高

718(火曜日)

13:30 BST

先週はCPIPPIともにインフレ率が予想以上に鈍化し、FRB7月の利上げを最後に利上げを一旦停止する可能性が高まった。もし小売売上高が強めの数字となれば、物価上昇の鈍化と消費の回復というゴルディロックスシナリオを補強することになり、ウォール街の強気筋は喜ぶだろうただし予想より弱い数字が出れば、景気後退懸念が生じ、投資家の自信が弱まる可能性がある。

 

英国CPI

719(水曜日)

07:00 BST

 

今週発表された賃金上昇率が予想を上回った後、ポンドを扱うトレーダーの次の関心は来週水曜日のインフレデータに移る。イングランド銀行は83日の次回会合でさらなる利上げに踏み切る可能性が高いが、その上げ幅が25bpになる50bpになるが問題だここで最新のインフレ指標が大きな影響を与えるだろう

  

本記事の全チャートの出典TradingView.com




  1. 口座開設ページでご自身に最適なFOREX.com口座を選択
  2. 必要書類のアップロードとともに口座開設のお申込み
  3. 取引プラットフォームにログインしてお取引開始


本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。