先週後半、FOMCはフェデラル・ファンド金利の50bpの利上げを実施し、翌日物レートを4.5%とした。 加えてFOMCの経済予測サマリー(SEP)では、ほとんどの委員が今回の利上げサイクルでの2023年のターミナル・レートを5.1%と見込んでいることが示され、9月の4.6%という見通しからは上昇している。 トレーダーはもともとターミナル・レートを低く見積もっていたことから、この新しい見通しを受けて国債市場は即座に反応した。 FOMCはまた、SEPでは2023年の利下げは示していないとも述べた。委員はインフレ率が2%の目標に近づいているという確信が持てた段階で利下げを行うとしている。また米国では先週、多くの経済データ指標が発表され、景気後退に向かっている可能性があることが示唆された。 小売売上高、フィラデルフィア製造業景況指数、NY連銀製造業景況指数、鉱工業生産、ならびにS&Pグローバル製造業購買担当者景気指数の速報値はいずれも予想を下回り、また先月の数値と比べても低かった。 来年、経済成長が鈍化する中でFOMCが引き続き利上げを続ければ、米国経済はトラブルに見舞われるかもしれない。
日本銀行は今週火曜日に会合を行い、金利政策を議論する。 金利は-0.1%に据え置き、10年物国債の上限も0.25%に維持すると予想されている。 10月のインフレ率は前年比3.7%に上昇しているが、日銀は近いうちにインフレ率は下がる可能性が高いと繰り返しており、緩和政策路線を維持するために必要であれば追加の対策を講じるとしている。 日本の次の消費者物価指数(CPI)は金曜に公表される予定で、総合CPI値は前月の前年比3.7%から前年比3.8%に上昇すると見込まれている。 またコアCPIは10月の前年比3.6%から前年比3.8%への上昇が予想されている。 インフレの進行による変化が日銀の声明に見られるかどうか注目したい。 加えて岸田首相は週末にかけて、日銀の黒田総裁の任期が4月に切れた後、2%のインフレ率目標達成を「できるだけ早期に実現する」としている10年前の日銀との共同声明の改訂を検討する意向を示した。 とはいえ日銀会合がどのように受け取られたとしても、日本円とのペアではボラティリティが高まる可能性がある。
日足では、USD/JPYは、ンフレが当初考えていたほど一過性のものではないことが判明し、FRBが利上げを開始することになった3月11日を皮切りに大きく上昇した。 USD/JPYは10月21日まで上昇チャネルを推移し、チャネルを抜けて年初来高値の151.94を付けた。 同じ日、財務省が2度目の為替介入を実施し、USD/JPYはチャネルに戻され、その日146.16の安値を付けた。 それ以降、このペアは下降チャネルを推移し、現在200日移動平均線のすぐ上、そして12月2日からの上昇トレンドライン上の137.00付近で揉み合っている。
出典:Tradingview, Stone X
4時間足で見ると、このペアが下落を続ければ、最初のサポートが12月2日からのトレンドライン135.00付近にある。 そこを割ると、USD/JPYは12月2日安値の133.62、そして3月4日~10月21日までの50%フィボナッチリトレースメントである133.30まで下落する可能性がある。 一方、USD/JPYが上昇すれば、レジスタンスは10月21日からの長期下降トレンドライン137.50付近、次が12月15日高値の138.13だ。 そこを抜けると、次のレジスタンスレベルは11月30日高値の139.89となる。
出典:Tradingview, Stone X
先週のFOMC会合はタカ派的で、75bpの利上げがまだ続くと予想される。 一方、日銀は10年以上も極端にハト派的だ。 火曜日の日銀会合でこれが変化するだろうか?日銀が政策スタンスに何らかの将来的なシフトを言及すれば、USD/JPYは下方向へ向かうかもしれない。
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