今週の通貨ペア:AUD/CAD

オーストラリア準備銀行(RBA)は火曜日に会合を開き、金利政策について議論する。  市場は現在、25bpの利上げの可能性が約60%と予想している。  しかし、RBAが何もしない可能性もわずかにある。  前回会合では、25bpの利上げを行い、キャッシュレートが2.85%となり、豪中銀は今年のインフレのピークは前回の75%に対し約8%になる見通しと述べた。  先月、オーストラリアは初の月間CPI報告を発表した(以前は四半期ごとの報告だった)。  10CPIは前年比6.9%で、予想の前年比7.4%、9月の7.3%に対し低下した。  これによりRBAは踏みとどまるだろうか?  加えて、RBAは中国情勢も考慮しなければならない。  オーストラリアは中国の経済活動に大きく影響される。  11月の財新総合PMI10月の48.3に対し47.0だった。  これは5回連続の低下で、3か月連続で拡大/縮小レベルの50を下回った。  さらに中国はゼロコロナ政策から脱却しようとしている。RBAが、規制緩和によって中国経済が再び拡大し始めると見るなら、タカ派的な利上げがあるかもしれない。  また、オーストラリアは今週、第3四半期GDPを発表する。  予想は前年比6.3%となっている。第2四半期は前年比3.6%だった。  大きく外れた場合、豪ドルが振れる可能性もある。

カナダ中銀(BOC)は水曜日に会合を開き、金利政策について議論する。  BOC50bpの利上げを行う可能性は30%で、市場は25bpの利上げと予想している。  前回の会合では、カナダ中銀は予想の75bpの利上げに対し50bpの利上げにとどめ、市場を驚かせた。  これによりオーバーナイトレートは3.75%となった。  委員会はまた、インフレ指標として好んで使われる、コアインフレが意味のある緩和の兆候を示していないことから、これ以上の利上げの必要性を除外すると述べた。  しかし、10月のBOC会合以降、雇用状況は極めて好調で、10月に108,30011月に10,100の新規雇用が創出された。  雇用統計でさらに印象的なことは、10月に119,30011月に50,700の新規のフルタイム雇用が創出されたことだ。これでBOC50bpの利上げについてさらに自身を得たかもしれない。

日足では、AUD/CAD20212月に0.9994の高値を付けて以降、ゆるやかな下降チャネルを推移している。  このペアはチャネル内で下落し、20221020日に0.8599の安値を付けた。UD/CADは下落するにつれ、20223月と4月を除いて多くの時間を200日移動平均線の下で停滞した。今年の11月下旬までこの状態が続いた。  1020日の安値以降、AUD/CADは上昇し、チャネル上限に向かっている。200日移動平均線の0.9009付近と、20212月高値~202210月安値までの38.2%フィボナッチリトレースメントとなる0.9132付近も上抜けた。  この記事を執筆している時点で、このペアはそのレベル付近で取引されている。

出典:Tradingview, Stone X

4時間足では、 AUD/CAD11月中旬以降上昇ウェッジ内で上昇を続け、現在上限付近にある。  価格は100%リトレースメントのターゲットとなる上昇ウェッジを、下にブレークすることが予想される。  この場合、ターゲットは0.8866付近だ。  価格が下にブレークしてターゲットに向かう場合、最初の水平サポートは0.9035、次が200日移動平均線の0.9008(日足参照)、その次の水平サポートレベルが0.8962となっている。  一方、AUD/CADがサポートレベルで反発すれば、最初のレジスタンスは長期チャネルの上端トレンドラインと上昇ウェッジの上端トレンドランが重なる0.9230付近、その次が20212月高値~202210月安値までの50%フィボナッチリトレースメントとなる0.9297だ。  そこを抜けると、次のレジスタンスは20223月中旬の安値0.9340となる。

出典:Tradingview, Stone X

RBABOCの各会合が今週開かれ、政策金利が決定すれば、 AUD/CADが大きく動く可能性がある。また、中国の製造業指数が弱いためにRBAがハト派に傾けば、このペアは大きく下落する可能性がある。逆に、RBAが中国のゼロコロナ政策の緩和に焦点を当てれば、おそらく25bpの利上げとなり、ハト派色が強まってAUD/CADは上昇するかもしれない。

 

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