インフレデータの改善で強気筋が戻る
ほぼ予想通りのインフレデータから、すぐに利上げが実施されることはないという見込みが強まり、金融市場は明日のFOMC会合を前にリスクオンの傾向が目立っている。トレーダーは強気相場が再開されたと考えており、今年後半の金利低下を期待している。結論:リスクオン。
ほぼ予想通りのインフレデータから、すぐに利上げが実施されることはないという見込みが強まり、金融市場は明日のFOMC会合を前にリスクオンの傾向が目立っている。トレーダーは強気相場が再開されたと考えており、今年後半の金利低下を期待している。
結論:リスクオン。
今日の主な金融市場の動き
株式市場
・ナスダック100とS&P500はともに0.7%上昇し、より広範な銘柄を対象とするラッセル2000は1.3%上昇。米国では比較的小型の景気循環株とテック株が引き続きリードしている。
・米国外では、日経平均株価が1.8%、DAXが0.7%、FTSE100が0.3%それぞれ上昇。日本と新興国がリードしている。
・ウォール街恐怖指数であるVIXは、長期間の低下を経て3%上昇し14.6となったものの、この値は懸念材料にはなっていない。
外国為替と国債
- 今朝のドル指数はやや弱含みで、103.3、0.3%の下落。ドルが狭い取引レンジから抜け出す気配はまだ見られない。
- ユーロとポンドの対ドルXレートは、それぞれ0.3%と0.7%の上昇。
- 米国債の2年物と10年物の利回りは4.69%と3.82%に上昇。インフレと金利が下降に向かえば、債券の利回りは低下すると見られる。
コモディティ
・金価格は0.7%下落し1オンスあたり1956ドル。心理的に重要な2000どるを維持することができなかった。
・原油価格は反発し、3.8%高の1バレル=67.3ドル。OPEC+の減産予想により、供給側の強気が優勢。
・穀物・油糧種子相場は、米国中西部の作柄が弱いこと、ドル安、エタノール燃料に対する政府の支援に関する具体的なニュースなどに支えられ、ほとんどの商品が上昇。
ディスカッション
インフレデータの改善により「据え置き」路線への期待が高まる
今朝発表された消費者物価指数(CPI)のインフレデータは予想以上の改善を見せており、FOMCが明日の会合で利上げを一旦停止するとの観測に拍車をかける形となった。コアインフレ率は依然として高いものの、エネルギー価格の下落が総合値を押し下げる要因となっている。明日は生産者物価指数(PPI)インフレデータの発表が予定されているが、金利据え置きの見通しが揺らぐ可能性は低いだろう。
今日のウォール街では慎重な「リスクオン」のセンチメントが広がっており、ことわざで言われる「ガラスには半分も水が入っている」という見方をとって、さらに株式市場の強気相場の再開を正当化した。FOMCはコアインフレ率を重視しており、この値はタカ派的政策の継続なしには2%の目標値まで引き下げることはできないだろう。現にFRBは、金利をより長期にわたってより高く維持する側に回るほうがましだと繰り返し表明している。
フェデラル・ファンド先物市場では引き続き6月の金利据え置きが見込まれており、さらに7月にはFRBのベンチマーク金利で25bpの利上げを実施して、年末までに利下げが始まると考えられている。しかし最近のデータやFRBメンバーのコメントからは、利下げが始まるまでの金利据え置き期間は市場の予想よりもはるかに長くなる可能性を示唆している。
数字で見るCPIデータ
・5月の総合CPIは前年比+4.0%、予想の+4.1%を下回り、4月の+4.9%からは低下した。
・変動の大きい食品とエネルギー部門を除いた5月のコアCPIは前年比+5.3%と予想通りで、4月の+5.5%からは低下。
・クリーブランド連銀のインフレ指標「ナウキャスティング」では、総合CPIが前年比4.13%増、コアCPIが前年比5.34%増と予測されていた。実際の数値はこの予想をわずかに下回る結果となっている。
米国コアCPI、前年比パーセンテージの変化
・数字を詳しく見ていくと、5月の総合CPI下落の背景にはエネルギー価格の下落が大きく影響している。エネルギーコモディティの価格は前年比20.4%減となっている。
・このセクターで最も下落率が大きかったのは重油で、前年比37.0%減となった。
・電気は5月、前月比1%の下落を見せた
・コアCPIの高止まりは、食料とエネルギーを除いた商品の価格が0.6%上昇したことに加え、中古車・トラックが前月比4.4%上昇、医療コモディティと住宅価格が前月比0.6%上昇したことによる。
中国とアラブ諸国の貿易協定
先日の2日間のアラブ・中国ビジネス会議では、中国はアラブ諸国との100億ドル相当の取引を成立させた。最大の56億ドルは、中国の電気自動車メーカーHuman Horizonsとサウジアラビアの投資省との間で、サウジアラビアのEV製造産業の確立を支援することを目的としたもの。ここには自動車に関する研究、製造、ゆくゆくはサウジアラビアでのEV販売が含まれる。これにより中国企業はインフラを整備し、電気自動車を開発し、新エネルギープロジェクトを海外市場で展開できることから、欧米諸国の需要減退により苦境に立たされている中国メーカーのプレッシャーを緩和することになる。これは中国が「一帯一路」イニシアティブを利用して、欧米からの脱却を図りつつ一帯一路参加国の中国への依存を強めている事例だ。テスラ、フォード、GMにとっては、海外の成長市場での競争が激化していることから、やや残念な知らせと言える。
- 口座開設ページでご自身に最適なFOREX.com口座を選択
- 必要書類のアップロードとともに口座開設のお申込み
- 取引プラットフォームにログインしてお取引開始
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書については英語版を原本とし、翻訳版と原本に相違がある場合には、原本の内容が優先するものとします。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。
金融商品取引法に基づく表示
【概要】
商号等:StoneX証券株式会社
金融商品取引業:関東財務局長(金商)第291号
加入協会等:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会 会員番号1539
【苦情相談窓口】 StoneX証券株式会社 クライアントサービス 電話:0120-288-168 / 03-6868-2123 (受付 平日 9:00-17:00)
【指定紛争解決機関】
証券・金融商品あっせん相談センター 電話:0120-64-5005(受付 平日 9:00-17:00 )
- 当社の外国為替証拠金取引(FX取引)、CFD取引及びオプション取引(以下、「すべての取引」といいます。)は、元本および収益が保証されているものではありません。FX取引及びCFD取引はレバレッジを利用して取引代金に比較して少額の証拠金で取引を行うために、相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、思わぬ損失が発生する場合があります。取引に必要な証拠金は、FX取引の場合、個人は売買代金の4%、法人の場合は金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額(=法定レバレッジで計算した必要証拠金額)以上の証拠金額が必要となります。株価指数CFD取引の場合、必要な証拠金は、個人は10%です。法人は0.5%からですが、取引量に応じて証拠金率が増加する方式を採用しています。但し、FX取引及びCFD取引において、リスク管理のため、特定の通貨ペア又は銘柄には上記より高い証拠金率(=低いレバレッジ)が適用されています。オプション取引の場合、予測と反対方向に外国為替市場が動き原資産価格がノックアウトレベルに達すると価値はゼロとなります。想定した前提と異なる場合や金利調整額、円転レートの変動により、口座残高がマイナスとなるリスクがあります。
- すべての取引は、相場の急変時や週初の取引開始時等に、ロスカット、注文形態、価格配信の停止・再開により発注レートと約定レートが大きく乖離したり、停止時と再開時の配信価格にギャップが生じる等の理由で預け入れた資金以上の損失が生じる可能性があります。
- すべての取引の前に「店頭デリバティブ取引に係るご注意」「お取引前の重要説明事項」「顧客取引契約書」等の規程、約款、マニュアルを必ず熟読し、取引の内容、危険性等をご理解いただいた上で、ご自身の判断と責任にてお取引ください。 各書類につきましては当社ウェブサイトのダウンロードセンターをご確認ください。
- 通常口座のFX取引及びCFD取引の取引手数料は無料ですが、FX取引のプロトレード口座では、取引数量100,000米ドルあたり片道8米ドル(消費税込み)の手数料がかかります。また、当社が提示するレートには買値と売値に差(スプレッド)があります。オプション取引の場合、スプレッドがあり、取引時に最大損失額がオプション料として生じます。主要国政策金利の極端な変更や雇用統計など重要経済指標の発表前後、為替市場の流動性が著しく低下した場合(年末年始・クリスマス時期など)や相場急変時(震災などの天変地異や戦争など)においては、スプレッドが拡大することがあります。
- すべての取引において、市場環境の急激な変化、パソコンの不具合、ネットワークの不具合、システム障害等、予期せぬ事象の発生などにより、取引ができなくなることおよび損失が生じることがあります。
※本ウェブサイトの内容の無断引用・転載・配布を禁じます。