豪ドル/米ドルの概要
米国消費者物価指数(CPI)の最新の値が発表され、米ドル安の反応をもたらしていることから、豪ドル/米ドルは今月の安値(0.6620ドル)からの上昇を続けている。オーストラリアの経済データでは2か月連続で雇用の増加が見込まれており、為替レートの最近の反発をさらに後押しするかもしれない。
豪ドル/米ドル見通し:デッドクロス形成は先送りに
豪ドル/米ドルは今月初めに200日間移動平均(0.6745ドル)を上回り、弱気相場のフラッグ形成の可能性を打ち消した。為替レートは、先週から持ち越された安値圏での高値と安値から抜け出し、月高値(0.6794ドル)からの下落を逆にたどって値を戻す展開が続くかもしれない。
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同時に、オーストラリアの新しい雇用統計データが豪ドル/米ドル価格の維持につながる可能性がある。オーストラリアでは3月に20.0万人の雇用が増加したと見込まれており、労働市場の逼迫を示す証拠が出ればオーストラリア準備銀行(RBA)に対する利上げのプレッシャーになるかもしれない。政策委員会は「インフレ率を確実に目標値に戻すために、金融政策の引き締めをある程度進める必要があると考えている」という。
RBAは「労働市場の逼迫に対応して賃金の伸びが続いている」としてインフレ対策に向けた追加措置を講じる可能性があり、フィリップ・ロウ総裁とその仲間たちは「理事会の優先事項はインフレ率を目標に戻すこと」として、次回の5月2日の会合で引き続きタカ派的な姿勢を維持する可能性がある。
それまでの間は、3月の安値(0.6565ドル)より上を維持し続けていることから、豪ドル/米ドルは現在の決まったレンジ内での取引が続く可能性がある。移動平均線を超えて戻りつつあるように見えることから、為替レートが200日間移動平均(0.6745)の負の傾斜に反応するかどうか、引き続き注目する必要があるだろう。
以上を踏まえ、オーストラリア雇用統計の結果がさらに上昇していれば、RBAの利上げへの圧力となり、最近の豪ドル/米ドルの反発を後押しする可能性がある。一方、50日間移動平均(0.6759ドル)と200日移動平均(0.6745ドル)の両方の負の傾斜が交差して「デッドクロス」を形成する可能性もある。
オーストラリアドル価格チャート – 豪ドル/米ドル日足
チャート作成:David Song、ストラテジスト
先週から引き継がれた安値圏での高値と安値を抜け出し、豪ドル/米ドルは3月安値(0.6565ドル)より上を維持している。0.6600ドル(23.6%のフィボナッチリトレースメント)を前に反転し、200日間移動平均(0.6745ドル)に向かって戻りつつあるところだ。
- 長期的な移動平均線を上回れば、豪ドル/米ドルは今月の高値(0.6794ドル)に向かう可能性がある。0.6780ドル(38.2%のフィボナッチリトレースメント)~0.6820ドル(23.6%のフィボナッチリトレースメント)のエリアを上抜けすれば、0.6870ドル(38.2%のフィボナッチリトレースメント)が視野に入ってくるかもしれない。
- 一方、50日間移動平均(0.6759ドル)が200日移動平均(0.6745ドル)に接近していることから、両方の移動平均線が負の傾斜を示すよ「デッドクロス」が形成される可能性もある。
- 長期的な移動平均線を上抜けできなければ、豪ドル/米ドルは3月のレンジ内にとどまる可能性がある。0.6660ドル (50%のフィボナッチリトレースメント) を割り込む動きがあれば、0.6600ドル (23.6%のフィボナッチリトレースメント)が再び視野に入ってくるかもしれない。
補足資料
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