- l先週の主要通貨における強弱は右記の通り 米ドル>人民元(オンショア)>ユーロ>英ポンド>日本円
- l南米とアジアが弱い一方で、カナダ、スカンジナビア、ロシアなど高緯度で且つ北緯の地域が買われている。
- l投機的な円売りが続いており、クロス円は軒並み上昇。対円で好まれる南アやメキシコペソなどが大きく買われた。
先週の為替相場サマリー
円安が進行
USD/JPY
ドル円は大きく上昇。1ドル=157.38円からスタートすると、週初は欧州政局の変化を嫌気してユーロ円が売られ、ドル円は157.17円まで連れ安。その後は買戻しが優勢となり火曜日のロンドン時間には158.00円を突破する時間帯も見られたが、同日のNY時間に発表された米国5月小売売上高が703.1Bilと引き続き高水準を維持したものの、前月分に下方修正が入ったことや、前月比が+0.1%と事前予想を小幅に下回ったことで米長期金利が低下、ドル売りが優勢となり157円ミドルまで押し戻された。その後は木曜日に向けてジワリと円安が進み158円台を回復すると、市場でにわかに注目を集めていたスイス国立銀行(中央銀行)の金融政策決定会合を終えたタイミングで円売りの仕掛けが強まり158.95円まで上昇。週末には米国6月PMIが予想を上振れたこともありドル円は一段と上値を伸ばし159.85円まで上昇したのち、159.82円で高値引け。
EUR/USD
ユーロは小幅に下落。1ユーロ=1.0702ドルからスタートすると、週初はユーロの買戻しが優勢。月曜日に発表された米国6月ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲6.0と弱かったことや、火曜日に発表された米国5月小売売上高が前述の通り弱かったこともあり、同日のNY時間に1.0762の今週のユーロ高値を記録。ただしここから更に上値を追う展開とはならず、次第に1.0750レベルで上値が重くなると、木曜日のスイス中銀の利下げをうけてややドル買いが優勢となった。金曜日に発表されたフランス6月PMIが製造業45.3、サービス業48.8、ドイツ6月PMIが製造業43.4とそれぞれ芳しくない数値でユーロ売りが強まると1.0671の今週安値を記録。1.0691まで買い戻されて週末を迎えた。
USD/CNH
ドル高、人民元安が進行。1ドル=7.2714元からスタートすると、週初の寄り付きで7.2660まで下落したが、その後はドルじり高の展開となった。木曜日には中国LPR(最優遇貸出レート)が公表され1年3.45%、5年3.95%で据え置かれたことが確認されると一段と人民元売りが強まり、直近の上値抵抗であった7.2800をクリアに上抜け。週末にかけては一段とドル高、人民元安傾向が強まり7.2931まで上昇したのち、7.2895で引けた。
先週の世界の通貨強弱
ドル買い優勢(129/196ヵ国)
クロス円は大きく上昇
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週の為替相場の注目点
全体
ユーロ圏、中国、日本に対する相対的なドル高が続いており、これが継続するか?
日本円については為替介入や、安値圏(ドル円の高値圏)での神経質な展開を警戒。
USD/JPY
想定レンジ:158.50~161.50
ドル高、円安の勢いは強いが、為替介入警戒感が強く、且つ勢いよく円安が進んでいるため、想定レンジはフラットとした。リスク管理を徹底したい。
EUR/USD
想定レンジ:EUR/USD 1.0530~1.0830
先んじて利下げへと転じていることもありドルに対してユーロ安が進みやすい地合いと見ているやや下の方向に想定レンジを引下げ。
ただし急ピッチで下げる印象はなく、じり安の展開を想定。
USD/CNH
想定レンジ:USD/CNH 7.23~7.37
上値抵抗である7.28を明確に上抜けており、上に走りやすい状況。また人民元を積極的に買う材料もない。
ただし大きく元安が進むと、当局がスムージング介入へと動いてくる可能性が高いため、想定レンジとしてはやや上に設定した。
今週の注目イベント
24日
17:00 ドイツ6月IFO企業景況感指数
25日
夏季ダボス会議(大連、27日まで)
08:50 日本5月企業向けサービス価格指数
21:30 カナダ5月CPI
22:00 米国4月住宅価格指数
22:00 米国4月ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 米国6月消費者信頼感指数
23:00 米国6月リッチモンド連銀製造業指数
26日
10:30 オーストラリア5月CPI
15:00 ドイツ7月GFK消費者信頼感調査
15:45 フランス6月消費者信頼感指数
20:00 米国MBA住宅ローン申請指数(前週比)
23:00 米国5月新築住宅販売件数
27日
バイデン米大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会
08:50 日本5月小売業販売額
08:50 日本5月百貨店・スーパー販売額
16:30 スウェーデン中銀、金融政策決定会合
18:00 ユーロ圏6月経済信頼感
20:00 トルコ中銀、金融政策決定会合
21:30 米国5月卸売在庫
21:30 米国1-3月期GDP(確定値)
21:30 米国1-3月期GDP個人消費(確定値)
21:30 米国1-3月期コアPCE(確定値)
21:30 米国5月耐久財受注
21:30 米国前週分新規失業保険申請件数
23:00 米国5月住宅販売保留指数
28:00 メキシコ中銀、金融政策決定会合
28日
イラン大統領選
モンゴル総選挙
08:30 日本6月東京都区部CPI
08:30 日本5月失業率
08:30 日本5月有効求人倍率
08:50 日本5月鉱工業生産
14:00 日本5月新設住宅着工戸数
15:00 英国1-3月期GDP(改定値)
15:45 フランス5月消費支出
15:45 フランス6月CPI
15:45 フランス5月PPI
16:55 ドイツ6月失業率
19:00 日本外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:30 米国5月個人所得
21:30 米国5月個人消費支出(PCEデフレーター)
22:45 米国6月シカゴ購買部協会景気指数
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