ドル円 Weekly Report 6/16

Article By トレジャリー・パートナーズ

    先週の為替相場サマリー

    Asia Market Weekly 20240610 1

    ドル高、ユーロ安

    USD/JPY

    ドル円は上昇。1ドル=156.74円からスタートすると、先週末の強い米国5月雇用統計をうけたドル円上昇の流れが継続し、月曜日、火曜日はじり高の展開で157.40円台まで上昇。水曜日のNY時間に米国5月CPIが公表され、前月比で総合が+0.0%、コアが+0.2%とインフレ鈍化の兆候が見られたことで米長期金利が低下、ドル円は今週の安値となる155.72円を記録した。ただその後のFOMCでメンバーの利下げ予測が3月FOMC時点における年内利下げ3回(中央値)から、今回のFOMCでは1回の利下げ示唆へと変化したことから、米長期金利が反発、ドルの買い戻しが進みドル円は157円台を回復した。注目を集めた金曜日の日銀会合は金融政策を据え置き。ただし7月会合において国債買入減額を実施することを公表した。これをうけて円安が加速、ドル円は158.27円の今週高値を記録したが、欧州時間に入るとフランスの政局変化を嫌気して欧州株式市場が軟調に推移、ユーロ円主導でドル円は下落し、再び157.00円を割り込んだのち、157.37円まで値を戻してクローズ。

    EUR/USD

    ユーロは下落。1ユーロ=1.0797ドルからスタートすると、月曜日、火曜日は小動き。水曜日の米国5月CPIがインフレ鈍化の傾向を示したことでドル売りが進み、ユーロは今週高値の1.0852を記録。ただしその後のFOMCにおいてメンバーの利下げに消極的な姿勢が確認されると次第に1.0800を割りこんだ。週末にかけては特にフランスの政局変化が意識されフランスを中心に欧州株式市場が崩れると、フランスのEU離脱可能性なども取り沙汰されるなかユーロは売られ、金曜日に1.0700を割り込み1.0667を記録。1.0700まで値を戻してクローズ。

    USD/CNH

    小幅にドル高が進行。1ドル=7.2643元からスタートすると、月曜日、火曜日はじり高となり火曜日のNY時間に今週の高値となる7.2746を記録。その後に水曜日の米国5月CPIがインフレ鈍化の傾向を示したことで急落、今週のドルの安値7.2500を記録。その後のFOMCで切り返すと週末にかけてはドル買いが優勢で7.2691まで値を戻してクローズ。対人民元でドルのじり高が続いており、上離れを警戒しておきたい水準に入ってきている。


    先週の世界の通貨強弱

    ドル買い優勢(120/196ヵ国)

    Asia Market Weekly 20240610 2

    クロス円は全体に底堅く推移

    Asia Market Weekly 20240610 3

    ※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています

    • l先週の主要通貨における強弱は右記の通り 米ドル>人民元>英ポンド>日本円>ユーロ
    • lユーロ圏、中国、日本の景況感が弱く、相対的なドル高が続いている。
    • l南アはアパルトヘイト撤廃以来で始めて過半数議席を失った与党が、野党との連立で合意。変化への期待からか、大きく買われている。

     


    今週の為替相場の注目点

    全体

    ユーロ圏、中国、日本の景況感がそれぞれ芳しくなく、相対的なドル高の継続を想定。

    既に円安水準であり、円売りと円買いは拮抗してきている。ただし7月日銀会合以降の国債買入減額の規模が判明して、それが大規模となれば、相場反転のきっかけとなる展開は今から意識しておきたい。

    USD/JPY

    想定レンジ:156.20~159.20

    日米の指標に振らされるとは思うが、円安ドル高の流れは続いており、まずは現在の流れの継続を想定したレンジ設定とした。

    波乱要因としてフランスの政局変化と国債買入減額を巡る報道に注目しておきたい。

    EUR/USD

    想定レンジ:EUR/USD 1.0530~1.0830

    フランスの政局次第のところもあり読みづらい状況ではあるが、そもそも先んじて利下げへと転じていることもありユーロ安に進みやすい地合いと見ている。

    まずは下押しを警戒し、その上で政局の行方を追っていきたい。

    USD/CNH

    想定レンジ:USD/CNH 7.20~7.35

    人民元を積極的に買う材料がなく、ドル高方向へ振れやすい状況。

    上値抵抗である7.28を超えると上に走りやすい点に留意。

    ただし大きく元安が進むと、当局が介入へと動く展開は警戒しておきたい。

     

    今週の注目イベント

    17日               

    08:50   日本4月機械受注

    11:00   中国5月小売売上高

    11:00   中国5月鉱工業生産

    18:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言(at company Pasqal in Massy, France)

    21:15   カナダ5月住宅着工件数

    21:30   米国6月ニューヨーク連銀製造業景気指数

     

    18日   

    13:30   オーストラリア中央銀行、金融政策決定会合

    18:00   ドイツ6月ZEW景況感調査  

    18:00   ユーロ圏5月消費者物価指数(HICP、改定値)

    21:30  米国5月小売売上高

    22:15   米国5月鉱工業生産

    22:15   米国5月設備稼働率

    23:00   米国4月企業在庫

    29:00   米国4月対米証券投資

     

    19日               

    米国休場(Juneteenth)

    08:50   日本5月貿易統計

    08:50   日銀・金融政策決定会合議事要旨

    15:00   英国5月CPI

    17:00   南アフリカ5月CPI

    17:00   ユーロ圏4月経常収支

    18:00   ユーロ圏4月建設支出

    20:00   米国MBA住宅ローン申請指数

    23:00   米国6月NAHB住宅市場指数

    30:30   ブラジル中央銀行、金融政策決定会合

     

    20日                           

    07:45   ニュージーランド1-3月期GDP

    15:00   ドイツ5月PPI

    16:30   スイス国立銀行、金融政策決定会合

    17:00   ノルウェー中銀、金融政策決定会合

    20:00  イングランド銀行(BOE、英中央銀行)、金融政策決定会合

    20:00   英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨     

    21:30   米国1-3月期四半期経常収支

    21:30   米国5月住宅着工件数

    21:30   米国5月建設許可件数

    21:30   米国6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数

    21:30   米国前週分新規失業保険申請件数

    23:00   ユーロ圏6月消費者信頼感

     

    21日               

    08:01   英国6月GFK消費者信頼感調査

    08:30  日本5月全国CPI

    15:00   英国5月小売売上高

    15:45   フランス6月企業景況感指数

    16:15   フランス6月PMI

    16:30   ドイツ6月PMI

    17:00   ユーロ圏6月PMI

    17:30   香港5月CPI

    17:30   英国6月PMI

    21:30   カナダ4月小売売上高

    22:45   米国6月PMI           

    23:00   米国5月景気先行指標総合指数

    23:00   米国5月中古住宅販売件数


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