ドル円 Weekly Report 6/9

Article By トレジャリー・パートナーズ

    先週の為替相場サマリー

    Asia Market Weekly 20240602 1

    全体的に小動き、小幅に円売り優勢

    USD/JPY

    ドル円は下落後に反発。1ドル=157.32円からスタートすると、月曜日の東京時間に今週高値となる157.48円を記録。しかしメキシコ大統領選挙の結果発表を控えてメキシコペソ円に大きな売りが入ると、ドル円はロンドン時間に157.00円を下抜け。さらに同日のNY時間に発表された米国5月ISM製造業景況指数が48.7とやや弱い数値で一時156.00円を割り込んだ。火曜日も下落基調は継続、日銀の金融政策の早期修正観測で155.00円を下回ると、同日のNY時間に発表された米国4月JOLTS求人件数が8.06Mと予想を下振れたことで今週の安値となる154.54円を記録。ただその後は買戻しが強くスルスルと反転、水曜日のロンドン時間には156.00円を回復。週末にかけては米国5月雇用統計を控えてやや上値重く推移し155.50円で発表を迎えると、発表された雇用統計は失業率こそ4.0%と上昇したものの、非農業部門雇用者数増減が+27.2万人、平均時給が前月比で+0.4%と強い数値でこれをうけて一時157.00円を回復、156.70円で引けた。

    EUR/USD

    ユーロは週末に下落。1ユーロ=1.0851ドルからスタートすると、月曜日NY時間に発表された米国5月ISM製造業景況指数が弱かったこともあり上昇、火曜日の東京時間に今週の高値となる1.0916を記録。火曜日のロンドン時間に1.0860レベルまで値を下げたものの、その後は米国の指標をこなしながら底堅く推移。木曜日にECB金融政策決定会合があり、ECBは3つの主要政策金利をそれぞれ0.25%ずつ引き下げ。またパンデミック緊急支援購入プログラム(PEPP)で買入れた資産を7月以降に平均75億ユーロのペースで縮小させていくことを発表した。PEPPの方がややサプライズとなった形でユーロは再び1.0900レベルへと買い戻され週末の米国5月雇用統計を迎えたが、内容が非常に強く、ユーロは売られ今週安値の1.0799を記録したのち、1.0800で安値引け。

    USD/CNH

    週初はドル安も週央以降はドルの買い戻しが優勢。1ドル=7.2638元からスタートすると、月曜日は米国5月ISM製造業景況指数が、火曜日は米国4月JOLTSがそれぞれ弱かったことで火曜日のNY時間に今週のドルの安値となる7.2411を記録。ただその後はドルの買い戻しが優勢で、水曜日のロンドン時間には週初のレベルを回復した。週末は全体的にややドル売りに傾く中で7.2500レベルで米国5月雇用統計を迎えたが、発表された数値が強かったことで7.2650台まで上昇したのち7.2625でクローズ。


    先週の世界の通貨強弱

    わずかにドル買い優勢(116/196ヵ国)

    Asia Market Weekly 20240602 2

    クロス円はメキシコペソが大きく下落

    Asia Market Weekly 20240602 3

    ※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています

    • l先週の主要通貨における強弱は右記の通り 日本円>米ドル>人民元>英ポンド>ユーロ
    • lドルの価格は引き続き安定。
    • l大統領選挙の前後でメキシコペソが大きく下落、急速に資金が抜けている印象。


    今週の為替相場の注目点

    全体

    強い米国5月雇用統計をうけたドル高が継続するか?

    日銀会合は金融政策の据え置き可能性が高いと見られるため、円安を警戒。

    今週はFOMCと日銀会合を控えており、両イベントとも必ず抑えておきたい。

    USD/JPY

    想定レンジ:155.50~158.80

    日銀会合で金融政策据え置きとなれば、円安に振れやすいだろう。

    波乱要因はメキシコペソなど新興国通貨の下落による、連れ安のシナリオ。

    EUR/USD

    想定レンジ:EUR/USD 1.0630~1.0920

    ユーロの追加利下げ期待、米国の利下げ先送り観測からユーロ安ドル高のレンジ設定。

    ただし両通貨ともに安定して推移しており、値幅は限定的に留まる可能性が高いとみる。

    USD/CNH

    想定レンジ:USD/CNH 7.20~7.35

    人民元を積極的に買う材料がなく、且つドルが強いと仮定すれば上昇しやすいだろう。

    ただし当局の人民元安対策もあり、過度な元安期待は禁物。

     

    今週の注目イベント

    10日

    中国本土・香港が休場

    08:50   日本4月国際収支

    08:50   日本1-3月期実質GDP(改定値)

    14:00   日本5月景気ウオッチャー調査

    15:00   ノルウェー5月CPI

     

    11日   

    08:50   日本5月マネーストックM2

    15:00   英国5月失業率

    21:00   ブラジル5月IPCA

     

    12日                                                                           

    タイ中銀、金融政策決定会合

    08:50   日本5月国内企業物価指数

    10:30   中国5月CPI

    10:30   中国5月PPI

    15:00   英国4月月次GDP

    15:00   英国4月鉱工業生産

    20:00   米国MBA住宅ローン申請指数

    21:00   インド5月CPI

    21:30   米国5月CPI

    27:00  米連邦公開市場委員会(FOMC)

    27:00   米国5月月次財政収支

    27:30  パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

     

    13日                           

    08:50   日本4-6月期法人企業景気予測調査

    10:30   オーストラリア            5月雇用統計

    15:00   ドイツ5月WPI

    18:00   ユーロ圏4月鉱工業生産

    21:30  米国5月PPI

    21:30   米国前週分新規失業保険申請件数

     

    14日

    正午頃 日銀金融政策決定会合

    13:30   日本4月第三次産業活動指数

    13:30   日本4月設備稼働率

    15:00   スウェーデン5月CPI

    15:30  植田日銀総裁、定例記者会見                                    

    18:00   ユーロ圏4月貿易収支

    21:30   米国5月輸入物価指数

    21:30   米国5月輸出物価指数

    23:00   米国6月ミシガン大学消費者態度指数

    25:00   ロシア5月CPI

    26:30   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言(Speech by Ms Lagarde at the 30th Dubrovnik Economic Conference in Dubrovnik)


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