- l先週の主要通貨における強弱は右記の通り 英ポンド>ユーロ>米ドル>人民元>日本円 ※ただし差が小さくレートソースによって若干の差がある点に留意
- l先週は主要国に対してドルの変動は限定的。
- l大統領選挙を控えたメキシコが大きく売られたほか、南アも弱い。クロス円は下落幅が大きく徐々にキャリートレードの妙味が薄れてきている印象。
先週の為替相場サマリー
全体的に小動き、小幅に円売り優勢
USD/JPY
ドル円は小幅に上昇。1ドル=157.01円からスタートすると、週初は小動き。火曜日のNY時間に発表された米国5月消費者信頼感指数が102.0と前月比で改善、且つ予想を6.0ポイント上回る内容で米長期金利が上昇、ドル高となり157.40円まで連れ高。また水曜日の5月リッチモンド連銀製造業指数が0と事前予想を6ポイント上回ると、ドル円は今週高値の157.79円を記録。しかし木曜日に米長期金利に連れて日本の長期金利が1.10%まで上昇すると日本株が急落、ドル円は売りが強まり157.00円を割り込むと、NY時間に発表された米国1-3月期実質GDPの改定値が0.3%低下の+1.3%となったことで156.38円まで急落。月末は実需フローとそれに伴う投機が入り乱れ、方向感なく荒い値動き。ただ週末にかけては買い戻されて157.29円でクローズ。
EUR/USD
ユーロは小幅に下落。1ユーロ=1.0854ドルからスタートすると、週初は先週の流れを引き継ぎ上昇、火曜日のロンドン時間に今週の高値となる1.0889を記録。しかしその後に発表された米国5月消費者信頼感指数が強くユーロは反落。水曜日の5月リッチモンド連銀製造業指数が0と底堅く、米長期金利が4.63%台まで上昇するなか木曜日の東京時間に1.0788の安値を記録。その後は同日のNY時間の米国1-3月期実質GDPの改定値が下振れたこと、金曜日のNY時間に発表された米国4月PCEデフレーターが前月から小幅に低下していたことから反発、1.0849まで値を戻して引けた。
USD/CNH
小幅にドル高、人民元安が進行。1ドル=7.2618元からスタートすると、ドル円と同様、週初はドル買いが優勢で水曜日のNY時間に7.2758を記録。しかしその後は日米長期金利の上昇により日米株価指数が軟調に推移、高金利通貨が売られ日本円が買戻されると、人民元も買い戻されて木曜日のロンドン時間に7.2476まで下落した。週末にかけてはクロス円の買戻しにつれて反発、7.2633で週末を迎えた。
先週の世界の通貨強弱
わずかにドル売り優勢(112/196ヵ国)
クロス円は下落幅が大きく、上昇幅が小さい
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週の為替相場の注目点
全体
今週は米国の主要経済指標の発表を控えており、それ次第の展開となろう。
円キャリートレードにやや陰りが見え始めており、ドル円、クロス円の反落も一つのシナリオとして警戒しておきたい。
USD/JPY
想定レンジ:155.80~158.80
円安の勢いが止まったわけではないが、徐々に勢いは減退している。
月曜日のNY時間以降は指標次第の展開だろう。
EUR/USD
想定レンジ:EUR/USD 1.0700~1.1000
米国の指標次第と見ているが、チャート的には底堅さも感じられる状況。
6月利下げを織り込みきったこともあり、ECBでbuy the fact の展開もありえそうだ。
USD/CNH
想定レンジ:USD/CNH 7.20~7.37
人民元売りの圧力が強いため、対ドルでは弱くなりやすい状況だろう。
中国の景況感が芳しくなく、また国際政治における分断もあり、人民元を積極的に買う材料がないため、やや弱めに見ておくのが無難だろう。
今週の注目イベント
3日
メキシコ大統領選(2日)
08:50 日本1-3月期四半期法人企業統計調査
10:45 中国5月Caixin製造業PMI
16:00 トルコ5月CPI
22:45 米国5月製造業PMI(改定値)
23:00 米国5月ISM製造業景況指数
23:00 米国4月建設支出
4日
インド総選挙開票
天安門事件から35年
08:01 英国5月BRC小売売上高調査
08:50 日本5月マネタリーベース
15:30 スイス5月CPI
16:55 ドイツ5月失業率
18:30 南アフリカ1-3月期GDP
21:00 ブラジル1-3月期GDP
23:00 米国4月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
23:00 米国4月製造業新規受注
5日
ポーランド中銀、金融政策決定会合
08:30 日本4月毎月勤労統計調査
10:30 オーストラリア1-3月期GDP
10:45 中国5月Caixinサービス部門PMI
15:45 フランス4月鉱工業生産
18:00 ユーロ圏4月PPI
20:00 米国MBA住宅ローン申請指数
21:15 米国5月ADP雇用統計
21:30 カナダ1-3月期四半期労働生産性指数
22:45 カナダ銀行、金融政策決定会合
22:45 米国5月サービス部門PMI(改定値)
23:00 米国5月ISM非製造業景況指数
6日
15:00 ドイツ4月製造業新規受注
17:30 英国5月建設業PMI
18:00 ユーロ圏4月小売売上高
20:30 米国5月チャレンジャー人員削減数
21:15 ECB、金融政策決定会合
21:30 米国4月貿易収支
21:30 米国1-3月期非農業部門労働生産性(改定値)
21:30 米国前週分新規失業保険申請件数
21:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
7日
中国5月貿易収支
08:30 日本4月全世帯家計調査
13:30 インド中銀、金融政策決定会合
14:00 日本4月景気先行指数
14:00 日本4月景気一致指数
15:00 ドイツ4月鉱工業生産
18:00 ユーロ圏1-3月期GDP(確定値)
19:30 ロシア中銀、金融政策決定会合
21:00 メキシコ5月CPI
21:30 カナダ5月雇用統計
21:30 米国5月雇用統計
23:00 米国4月卸売売上高
28:00 米国4月消費者信用残高
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