- l先週の主要通貨における強弱は右記の通り 米ドル>人民元>ユーロ>英ポンド>日本円
- l米国2月物価指数の反発をうけてドル高が進行。
- l円売りが再開している状況で、特にメキシコペソが買われている。
先週の為替相場サマリー
日本円が大きく買い戻された
USD/JPY
ドル円は上昇。1ドル=147.08円からスタートすると、週初こそ先週の流れを引き継ぎ146.49円まで下落したが、火曜日に植田日銀総裁が直近の経済展望レポートよりも弱めの現状認識を示したことで円安が再開、147円丁度をクリアに上抜けた。また同日のNY時間には米国2月CPIが発表され総合とコアそれぞれで強いインフレ圧力が確認されると米長期金利が上昇、一時148円台を記録。水曜日は春闘の集中回答日でもあり高い賃上げへの期待から円高へ振れる場面も見られたが、木曜日に発表された米国2月PPIが前月比でインフレ圧力が増していたこと、同時に発表された米国2月小売売上高もしっかりした数値だったことからさらに米長期金利が上昇、クリアに148円台へと乗せた。週末も上昇の流れは継続、一時149.18円まで上昇したのち149.02円でクローズ。
EUR/USD
ユーロは下落。1ユーロ=1.0944ドルからスタートすると、週初はやや上値の重い展開。火曜日に発表された米国2月CPIは総合とコアそれぞれで強いインフレ圧力が確認されたことで米長期金利が上昇、ユーロは一時1.0902まで下落。しかしその後はユーロ買い戻しの動きが強く、特段の追加材料ない中で一時1.0964まで上昇した。木曜日に米国2月PPIが発表され前月比でインフレ圧力が強まっていたことが確認されると、再びドル買いが強まりこの局面でユーロは1.09割れ、1.0872まで下値を更新したのち、週末は揉み合い、1.0887でクローズ。
USD/CNH
僅かにドル買いが優勢。1ドル=7.2010元からスタートすると、週初は特段の材料ない中でドル売りが優勢。火曜日に米国2月CPIが発表されたタイミングで7.1717まで値を下げたが、米国のインフレ圧力の高まりが確認されたことでドル高へと傾くと、水曜日には週初のレベルまで値を戻した。7.20丁度レベルでは上値が抑えられる時間帯も続いたが、週末に掛けてはクリアに7.20へ乗せ、7.2073まで上値を伸ばしたのち、7.2054でクローズ。
先週の世界の通貨強弱
ドル買いが優勢(143/196ヵ国)
クロス円は軒並み上昇
※通貨騰落率を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています
今週の為替相場の注目点
全体
今週は日米の金融政策決定会合を控えており、特に日銀のネガティブ金利解除とその他の金融政策変更について要注目。
その上で流れとしては円安が継続しており、単なるネガティブ金利解除に留まり材料出尽くしとなれば円売り再開しやすい状況と言える。
USD/JPY
想定レンジ:147.50~151.00
今週は日銀の金融政策次第であり、且つ発射地点もそれなりに高く読みづらい状況。どちらかと言えば円安の流れが続きそうではあるが、反落も警戒しておきたいところ。
EUR/USD
想定レンジ:EUR/USD 1.1030~1.0730
ユーロドルはトレンドが出ておらず、材料に欠ける状態なのでフラットで見ておくのが無難だろう。
USD/CNH
想定レンジ:USD/CNH 7.10~7.28
当局の人民元安対策が功を奏し、ドルの上値が重くなってきている。よほどドル高が進まなければ人民元の買戻しが優勢になりそうな状況。
今週の注目イベント
18日
08:50 日本1月機械受注
11:00 中国2月小売売上高
11:00 中国2月鉱工業生産
19:00 ユーロ圏2月HICP(改定値)
23:00 米国3月NAHB住宅市場指数
19日
正午頃 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
15:30 植田和男日銀総裁、定例記者会見
19:00 ドイツ 3月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ 3月ZEW景況感調査
21:30 カナダ2月CPI
21:30 米国2月住宅着工件数
21:30 米国2月建設許可件数
29:00 米国1月対米証券投資
20日
3月の中国最優遇貸出金利(LPR)
16:00 英国2月CPI
17:45 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
24:00 ユーロ圏3月消費者信頼感
27:00 FOMC
27:30 パウエルFRB議長、定例記者会見
30:30 ブラジル中央銀行金融政策決定会合
21日
08:50 日本2月貿易統計
17:15 フランス3月PMI
17:30 ドイツ3月PMI
17:30 スイス国立銀行金融政策決定会合
18:00 ユーロ圏3月PMI
18:30 英国3月PMI
20:00 トルコ中銀、金融政策決定会合
21:00 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金融政策決定会合
21:00 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
21:30 米国10-12月期四半期経常収支
21:30 米国3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21:30 米国前週分新規失業保険申請件数
22:45 米国3月PMI
23:00 米国2月景気先行指標総合指数
23:00 米国2月中古住宅販売件数
28:00 メキシコ中銀、政策金利
22日
3月の月例経済報告(内閣府)
08:30 日本2月全国CPI
16:00 英国2月小売売上高
18:00 ドイツ3月IFO企業景況感指数
19:30 ロシア中銀融政策決定会合
21:30 カナダ1月小売売上高
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