By: Rebecca Cattlin、ファイナンシャルライター
2021年4月28日、午前9時32分
英国で最も重要な株価指数であるFTSE100の構成銘柄、トレードが可能な時間帯、ポジションのとり方を解説します。
下記のリンク先からそれぞれのセクションに移動できます。
- FTSE100とは
- FTSE100構成銘柄について
- FTSE100の算出方法
- FTSE100の価格が意味するもの
- FTSE100の平均リターン
- FTSE100取引時間
- FTSE100のトレード方法
- FTSE100対象企業時価総額順ランキング
FTSE100とは
FTSE100は、ロンドン証券取引所(LSE)に上場している最大手企業100社の銘柄を追跡する株式指数のことです。 これらの企業は時価総額順にランク付けされており、FTSE100の合計額はLSEの合計時価総額の80%超を占めています。
FTSE100は英国経済の健全性を測るベンチマークとして使用されます。指数の価格が上がれば構成銘柄の価格が上昇しているということであり、全体としては好調な経済状況を示します。一方、FTSEの下落は企業(および、より幅広い経済活動)が縮小する時期に入っていることを示します。
FTSEという名称は、この指標を立ち上げた2つの企業、フィナンシャル・タイムズとロンドン証券取引所を組み合わせたものであるが、FTSE100は現在、ロンドン証券取引所の管轄下にあります。
トレーダーでも投資家でも、英国株に興味があるならFTSE100の価格の推移を注視しておく必要があるでしょう。さらにFTSE100の構成銘柄は英国のローカル企業と国際的な企業の両方を含むため、この指数はグローバルな政治・経済イベントに左右されやすくなります。
英国のバロメーターのみに関心があるなら、現在ではFTSE100ではなく、国際的企業の数が少ないFTSE250が参照されます。
FTSE100構成銘柄について
FTSE100の構成銘柄は、英国で最も株価が高い「優良企業」と見なされています。これらの企業は英国の経済状況の指標となっているものの、その多くが現在では多国籍企業となっています。
FTSE100に選定されるには、LSEに上場してポンド建ての株価がついており、かつ、この指数が定めている浮動性と流動性の最低要件を満たさなければなりません。
FTSE 100の構成銘柄は四半期ごと、通常は3月、6月、9月、および12月に見直されます。時価総額順で上位100社に入らなくなった企業は指数の対象から外され、新しい銘柄と入れ替えられます。経済のさまざまなセクターが取引に関係することになるため、FTSE100の構成銘柄の変更を注視しておくことが重要です。
2021年3月の入れ替え後のFTSE100構成企業が所属する上位10セクターはこちら:
FTSE100の算出方法
FTSE100は、構成銘柄100社の合計時価総額を使用して算出されます。この指数は時価総額加重型で、株価の高い企業ほど指数の最終的な価格に与える影響が大きくなります。
算出の際は、まず各社の現在の株価に発行済み株式の総数を掛け、さらにその数値に各社の「浮動株係数」を掛けます。これは市場で購入できる株式の数を示す係数になります。浮動株調整係数は、基本的には購入可能な株式の数の差異を織り込むためのもので、通常は四捨五入の上5%ごとの数値で表されます。浮動株の割合が大きい企業ほど、指数の値に与える影響が大きくなります。
そして全ての企業の時価総額を合算し、除数で割ります。この除数は値をより管理しやすいものにするために指数に適用されます。FTSE100の除数は1984年の導入当時は1000ポイントでしたが、構成銘柄の変化と共に除数も変わってきました。これは指数の値を過去のデータと比較できるようにするためです。
FTSE100の価格が意味するもの
FTSE100の価格は、指数に含まれる企業の株価が上昇しているか下落しているかを示します。FTSE100の価格が上昇すれば、特定の企業または企業グループの株価が上昇しているということであり、これが指数全体の価格に影響を及ぼします。同様にFTSE100の価格が下落していれば、指数に含まれる企業の株価が下落しているということになります。
FTSE100の価格がどの程度変動するかは、指数に占めるその企業の比重に左右されます。たとえばユニリーバ、リオ・ティント、グラクソ・スミスクラインといったFTSEの最大手銘柄の価格変動は、バーバリー、テイラー・ウィンペイ、セインズベリーといった時価総額が比較的低い銘柄よりも、指数全体に対して大きな影響を与えます。
FTSE100の平均リターン
過去10年にわたるFTSE100の平均年間リターンは5.4%となっています。FTSE100の平均リターンは、基本的に合同運用ファンドが1年間にわたって投資家のために上げた利益です。必然的に、FTSEのリターンは配当金が支払われるか再投資に回されるかによって変わります。
2011年から2020年までの年間リターンを下記で見ることができます 1。なお、過去のリターンは将来のパフォーマンスを保証するものではないことにご注意ください。
FTSE100取引時間
FTSE100の取引はグリニッジ標準時で午前8時開始、午後4時半終了となります。これはロンドン証券取引所の取引時間ですが、当社でFTSE100を取引する場合はより長時間にわたって市場を追うことができます。
当社のFTSE100取引時間は以下の通り。
日本時間 | |
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UK100 (FTSE100) | 8時~翌朝7時 |
FTSE100のトレード方法
FTSE100CFD
CFD(差金決済取引) とは、基盤となる市場、この場合はFTSE100の価格に応じたデリバティブ取引です。資産の所有権を得るわけではないので、FTSE100の指数が上昇するか下落するかを予想して取引をおこないます。
CFDはポジションのオープン時からクローズするまでの差額の授受に合意する取引です。自分の選んだ方向(上昇方向または下落方向)に対するFTSEの価格変動が大きいほど、得られる利益は大きくなります。一方で、FTSEの価格が自分が選んだ方向とは逆に大きく変動するほど、損失が大きくなります。
CFDは非常に狭いスプレッドで取引ができ、ポジションのオープンとクローズを短時間で行うデイトレーダーに人気です。ただしポジションを翌日まで持ち越すと調整額(配当相当額/金利相当額)がかかる可能性があるので注意が必要です。
FTSE100企業時価総額順ランキング
ここでは、2021年3月17日時点 2 でのFTSE100企業を時価総額順に紹介します。ここには101社が掲載されていますが、これはロイヤル・ダッチ・シェル社が2つのクラスの銘柄でLSEに上場しているためです。
1 FTSE Russell, 2021