出来高とその活用方法

執筆: Rebecca Cattlin、ファイナンシャルライター

2021年9月14日 05:50

出来高とは?

出来高とは、ある期間内に取引された資産の総数のことです。通常は株式、債券、オプション、先物、商品など、取引所で取引される資産を対象として測定されます。出来高は単に取引の件数を示すわけではなく、これらの取引で売買された資産の総額も含んでいます。

出来高のチャートは任意の期間に合わせて表示されます。例えば時間足、日足、週足チャートなどを見ることができます。一時間ごとの出来高は通常は推測値ですが、日次レポートは市場の閉場後に作成され、より正確な値が記載されます。

出来高はなぜトレードで重要なのか

出来高が重要なのは、流動性と深く関係しているからです。市場の流動性は、トレーダーが希望の価格でポジションを建てたり、決済することができるかどうかに直結します。出来高の高低によって、その影響の大きさも変わります。

出来高が高いとはどういう意味か

出来高が高いと、市場に多くのトレーダーが参加しているということになります。全トレーダーが同じポジションを取るということでは必ずしもありませんが、通常はトレンドが発生している場合が多いでしょう。

出来高が高いことは、このトレンドの勢いが続いているかどうかを示します。一般には出来高が増えると市場の価格も同じ方向に動き続けます。ただし空売り(ショート)をする人も多いので、出来高が高いからと言って価格が上がるわけでは必ずしもありません。

出来高の高さは、流動性の面で大きなメリットと見なされています。より多くの人が市場で積極的に資産を売買することから、理想の価格で取引の相手を見つけられる可能性が高まるのです。市場流動性が上がると連動してスプレッドも狭くなります。

出来高の高い時期には、多くの人が資産を売買することから、価格の変化が速くなる傾向があります。そのため、出来高の代わりに契約価格の変化を示すティックボリュームを参照するトレーダーもいます。出来高は決まったタイミングでしか更新されませんが、ティックボリュームは24時間いつでも確認できるからです。

出来高が低いとはどういう意味か

出来高が低いということは、市場での買い手と売り手の数が減っているということであり、流動性の低下を意味します。流動性が低いとポジションの決済ができず、取引が完了できない可能性があり、市場で自分の思惑と逆の値動きが起きた時に損をするリスクが高まっても、それを受け入れざるを得ないということになります。流動性が低いと、特に株式市場においては、売値と買値のスプレッドが大きくなります。

トレードで出来高を活用する方法

出来高は市場の活動やトレンドの強さをより精密に把握するためのテクニカル指標として使われます。出来高は、資産を買うか売るかを決める際の根拠として役立てることができます。

出来高は主に相場の勢いを見極めるために使われており、トレンドが継続する可能性を出来高の高低で判断します。ただし、最も有利な価格で確実に決済するためのタイミングを決めるのにも利用できます。

出来高の活用方法として最も一般的なのが、反転を見極める場合です。サポートゾーンに到達して価格が反転するのを待っている時なら、買付高が上がっているかどうかを確認するでしょう。またサポートレベルを割ることを期待しているなら、買い手側の出来高が減っていることを確認するでしょう。逆にレジスタンスレベルでの反転を見極めたい場合には、売り手側の出来高が上がっていることを、レジスタンスレベルでのブレイクアウトを確認したい場合には、売り手側の出来高が下がっていることを確認することになります。

この記事で学んだことを取り入れ、リスクのないデモアカウントで出来高を使った戦略をためしてみましょう。トレードの準備ができているなら、ライブアカウントを直接開設することもできます。

株式における出来高の意味

株式の出来高は、任意の期間に特定の証券取引所で取引された株式の総数を指します。株式の出来高が高ければ、値動きは長期的なものになるでしょう。出来高が低ければ、短期的な変動が発生する可能性が高まります。

株式での出来高の計算方法

株式の出来高は、買い注文と売り注文の両方を含め、その日に取引された株式の総数として算出します。取引は全て取引所の注文台帳で公開されているので、株式の出来高を確認するのは簡単です。

FXにおける出来高の意味

外国為替取引での出来高は、株式の出来高とは少し違います。FX取引では、出来高とはある通貨ペアで任意の期間に取引されたロット量を指します。簡単に言えば、売り手から買い手に渡った通貨の数量ということです。

外国為替取引での出来高の計算方法

外国為替取引はOTC市場による分散が進んでいるため、出来高の計算はより難しくなります。つまり取引の公式記録がないので、出来高の総計の代わりに部分的な出来高の数字を確認することになります。こうした数字は、特定のマーケットメーカー、ブローカー、流動性アグリゲーターから取得することができます。

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