By: Rebecca Cattlin、ファイナンシャルライター
2021年3月22日 05:55
具体的な情報は下記のリンク先をご覧ください。
- 日本銀行とは?
- 日本銀行の組織構造
- 日銀の金融政策決定会合(MPM)とは?
- 日本銀行の政策発表カレンダー
- 日本銀行の法定金利は?
- 日本銀行の翌日物コールレートとは?
- 日銀の発表が金融市場に及ぼす影響とは?
- 日本銀行の量的緩和政策の歴史
日本銀行とは?
日本銀行(BoJ)は日本の中央銀行で「日銀」と略され、通貨と国債の発行と管理を統括し、金融政策と決済サービスを通じて経済の安定を作っています。日本の通貨について調べてみましょう。
日本銀行の組織構造
日本銀行は1882年に創設され、最初の紙幣を1885年に発行して以来、今日まで活動を続けています。第二次世界大戦中には、戦時中の国家経済の規制と維持のために再編成され、戦後には組織構造にいくつかの調整が加えられました。
現在、日銀の組織構造は主に3つの構造から成り立っています。
- 政策委員会 –日本銀行の最高意思決定機関であり、通貨政策および金融政策を担当し、日本銀行の運営を監督します。総裁1名、副総裁2名、その他の委員6名を含む9名で構成されます。
- 理事 - 日銀の管理組織で、総裁と副総裁の補佐を担当し、銀行の運営がスムーズに行われるようにします。6名の理事と、業務調整会議およびコンプライアンス会議から構成されます。
- 本店 - 日銀の本店には、内部監査室、金融機構局、決済機構局、金融市場局などの15の部門があります。
さらに日本銀行は国内各地に32の支店と14の国内事務所を有し、海外にも7つの事務所を有します。
日銀の金融政策決定会合(MPM)とは?
日本銀行の金融政策決定会合(MPM)では、政策委員会が金利とその他の日本の金融政策を策定します。その目的は、日本全体の経済的安定を達成するための政策を合議し決定すること、ならびに消費者の支出に影響を与えることで日銀のインフレターゲット達成に貢献することです。
金融政策決定会合は年8回、各2日間にわたって行われます。委員会は経済状況の詳細な分析と財政状況を検討したうえで決定を下します。完全な透明性を担保するという日銀の方針に従い、政策決定はすみやかに公表されます。また日銀総裁が記者会見を開き、すべての変更点や金融政策決定について説明します。
日本銀行、2023年の金融政策決定会合(MPM)カレンダー
法定金利の発表の他、日銀は2回に1回のスケジュールで会合後すぐに経済予測を発表します。経済予測は、通常は発表日の午前2時45分から午前5時の間のいずれかの時間帯に行われる記者会見で公表されます。全文は翌営業日の午後2時から入手できるようになります。通常、意見概要と議事録は公表予定日の8時50分に公開されます。
金融政策決定会合の開催日 | 発表スケジュール | ||
---|---|---|---|
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 | |
1月17~18日 | 1月18日 | 1月26日 | 3月15日 |
3月9~10日 | - | 3月20日 | 5月8日 |
4月27~28日 | 4月28日 | 5月11日 | 6月21日 |
6月15~16日 | - | 6月26日 | 8月2日 |
7月27~28日 | 7月28日 | 8月7日 | 9月27日 |
9月21~22日 | - | 10月2日 | 11月6日 |
10月30~31日 | 10月31日 | 11月9日 | 12月22日 |
12月18~19日 | - | 12月27日 | 未定 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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1月18日 | 1月26日 | 3月15日 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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- | 3月20日 | 5月8日 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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4月28日 | 5月11日 | 6月21日 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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- | 6月26日 | 8月2日 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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7月28日 | 8月7日 | 9月27日 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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- | 10月2日 | 11月6日 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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10月31日 | 11月9日 | 12月22日 |
経済予測レポート | 意見概要 | MPM議事録 |
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- | 12月27日 | 未定 |
日本銀行の法定金利は?
他の中央銀行の場合と同様、日本銀行の法定金利は、通貨の貸し借りに利息を設けることでインフレ率を調整する仕組みです。
日本銀行はマイナス金利政策を取っていることで知られています。これはつまり、各銀行は中央銀行からの借り入れの際に利息を払わなければならないということです。この政策が最初に施行されたのは2016年、以降2023年まで続いています。
日本銀行の翌日物コールレートとは?
日本銀行の翌日物コールレートは、コール市場での無担保取引の金利を指します。これは翌日物市場で銀行が互いに資金を貸し借りする際の金利で、無担レートとも呼ばれており、日本円市場に特有の取引です。
日銀の発表が金融市場に及ぼす影響とは?
日銀の金利決定は消費者の支出と企業の資金借り入れ時の利息に影響を与えることから、国債、株式、 通貨、その他の債券に直接影響を与えます。そのため、日銀の政策決定会合をきっかけとした市場の動きは、投機筋に大きなチャンスをもたらすことがあります。
会合の結果が支出やインフレ率の抑制を目指すものであった場合、株式や債券、指数などの価値は下がりますが、円の価値は上がる可能性があります。
逆に量的緩和政策など、インフレ率上昇と支出の拡大を目指した政策であれば、円の価値は下がり、その他の債券の価値が上がります。多くのトレーダーは、米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円などの為替ペア、日経平均株価、そしてトヨタ、ソフトバンク、ソニー、三菱などの日本の大手企業の銘柄の値動きを注視することになるでしょう。
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日本銀行の量的緩和政策の歴史
日本銀行は長年にわたって異例の金融政策を採っていることで知られています。15年間にわたって日銀は一貫して円を売り、通貨価値を低く抑え、輸出の国際競争力を高めてきました。この政策は量的緩和と呼ばれ、商業銀行の借り入れを促進する過剰流動性をもたらしています。国債の買い入れや民間資本購入による企業の資本構成変更を通じて、日銀はこの政策を進めています。
1997年までに日銀は金融サービス業界の支援を決め、何兆円にも相当するコマーシャル・ペーパーを購入しました。これが記録に残る最初の「量的緩和」です。2001年から2004年までの間に、商業銀行は流動性資産の形で35.5兆円近くを受け取りました。こうした介入にもかかわらず、日本の経済成長はほとんどの場合限定的なものにとどまり、経済状況は長期にわたって停滞を続けています。
世界的な不況で日本経済が縮小する中、日銀は2013年、そして2014年に新たな量的緩和策を打ち出しました。
2016年9月の金融政策決定会合で、日銀はマイナス金利に加え「量的・質的金融緩和(QQE)」という新たな政策枠組みを導入しました。