By: Rebecca Cattlin、ファイナンシャルライター
2022年7月28日 10:30
金利は外国為替市場の値動きを左右する重要な要素であるため、トレーダーは利上げや利下げが通貨に及ぼす影響を理解しておくことが重要です。金利が通貨にどのような影響を与えるのか、また外国為替の利率を利用した人気のトレード戦略を見てみましょう。
金利が外国為替市場に与える影響とは?
金利は、通貨価格の受け取り方を決めるという形で外国為替取引に影響を与えます。そのため、ある国の利率が変わることで、国内通貨と国際的に取引される他国の通貨との両替レートに影響します。
利上げが通貨にもたらす影響
利率が上がると、国内の資金への需要が増えるため、一般に他国の通貨と比べてその国の通貨が好まれるようになります。
中央銀行が利率を上げると、商業銀行も消費者や企業に対して高い利息を課します。これによって資金借り入れのコストは増えますが、貯蓄によるリターンが大きくなります。国内外の投資家はリスクの高い資産を国内通貨に替え、貯蓄口座に入れておくことで高い利率の恩恵を受けようとします。こうして国内通貨は需要が高まり、他国通貨に対する価値も上がります。
とはいえ金利が高いときはインフレ率を見ておくことも重要です。インフレは通貨の購買力を失わせます。例えば金利が2.5%で、インフレ率が5%の場合、実際の利率は-2.5%相当となります。これは利息の支払いよりも速く通貨の価値減衰が進んでいることを意味します。
利下げが通貨にもたらす影響
利下げでは海外の投資家にとっての魅力が下がるため、通貨の価値が下がる傾向があります。
中央銀行が金利を下げると貯蓄の魅力が薄れ、投資家は資金をより高リスクな資産に移す傾向があります。こうして資金が国内金融市場から流出し、他通貨建ての資産に移り、他国の通貨に対するその国の通貨の価値は下がります。
ただし金利と為替レートの関係は、常に単純なものとは限りません。金利の変更は特に通貨の長期的な値動きの見通しに影響を与えるものですが、短期的な価格変動はむしろ、中央銀行の金利決定が市場の予想通りのものか、あるいは予想を裏切るものであったかによって決まります。
たとえばアナリストが日本銀行による0.5%の利上げを見込んでいるときに、実際の利上げが0.25%にとどまった場合、金利の引き上げは一般に通貨の値上げ材料であるにもかかわらず、円の価格は下がるでしょう。
このため、中央銀行がいつ金利を発表するのか、またその結果が利上げ、利下げ、現状維持のどれになる可能性が高いのか、把握しておくことが必要です。利息決定の方向性を知る手掛かりになる経済指標としては、消費者物価指数、住宅市場の状況、雇用統計、消費者支出などがいずれも注目に値します。
利息が上がるか下がるかの見当がつけば、ポジションを取ることができます。ただしサプライズがあると市場が通常と逆の方向に動く場合があるため、不利な値動きから損を出さないよう、ポジションにストップ価格とリミット価格を設定しておくことが重要です。
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金利差を利用した外国為替のキャリートレード戦略
金利に関する外国為替取引戦略の中でも、最も人気があるのがキャリートレードです。金利の低い通貨を借り入れたり売ったりして、より金利の高い別の通貨を購入する手法です。
FOREX.comでのトレード方法
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